〇3行で銘柄解説
・アルパカのCMで有名(だった?)な大手化学繊維メーカー
・累進配当と総還元性向50%で安定高配当を狙う
・利回りは3%程度と現状では高配当とは言い難い
〇会社概要と配当基準日
高機能銘柄分析 マネックス証券
クラレは高機能性樹脂や化学繊維を扱う大手化学繊維メーカーです。
高機能樹脂ポバール等とそれを加工した各種フィルムが事業の柱となっています。
また高機能樹脂だけでなく化学繊維ビニロンなど、世界シェアNo.1や、マジックテープやランドセル等に使われる人工皮革などで国内No.1シェアを誇っています。
海外売上高比率は大体80%程度です。
クラレは1926年に岡山県倉敷市に、大原孫三郎により「倉敷絹織株式会社」として設立されます。
大原孫三郎はクラレの他にもクラボウや中国銀行などの社長を歴任し、中国地方で大原財閥を築いた人物でもあります。
1950年代には世界初の国産合成繊維としてビニロンを事業化し、木綿に代わる合成繊維として学生服などで一世を風靡しました。
1960年代には日本で初めて国交回復前の中国にビニロンの製造プラントを輸出しました。
1970年代には世界初合成法によるイソプレンケミカル製品の事業化など新規事業を次々に立ち上げます。
また1970年に創業45周年を機に商号を現在の「クラレ」にします。
その後は海外展開やM&Aなどを通じて事業の強化・拡大を図って現在に至ります。
配当は割と減配があります。
しかし直近で公表された中期計画では減配を行わない累進配当を採用したため、今後しばらくは減配がないことが期待できると思われます。
ただし利回りはあまり高いとは言えず、3%前後で推移しています。
利回りにさえ目をつぶれば安定配当ですが、高配当というのはちょっと難しそうです。
配当基準日:12月末
〇直近株価と配当額と利回り
株価:1,883円
配当額:54円
利回り:2.86%
利回りは3%前後で推移しています。ただし後述の配当方針から、今後配当金額が上がる可能性はあります。
〇配当方針
「親会社株主に帰属する当期純利益に対する総還元性向50%以上、1株当たり配当金の維持・増額、自社株買いは継続的実施を目指すことを新たな基本方針とします。」と書いてあります。
要は累進配当です。総還元性向は自社株買いも含んでおり、自社株買いを積極的に行う記述もあることから実際の配当性向は50%よりも低くなることが想定されます。
なお、現在の配当性向は35%です。
ちなみに同社は株主優待を実施しております。
〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)

2019、2020年3月期は利益が思い切り下がりましたが、少額の減配で止めました。
このことから配当に関してはある程度は安定している会社と見ることができるかと思います。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:6,039億円
自己資本比率:59.2%
時価総額は6千億円程度と化学メーカーでは大手水準です。
自己資本も特に悪くはないでしょう。
〇過去10年間のチャート



引用:国内株式|SBI証券
見事に波打っています。U字型です。
直近2025年に大きく下がっています。これは第二次トランプ政権が発足して市場株価が下落傾向にあったことが関係していると思われますが、ちょっと下げすぎな感はあります。
〇総括
クラレは岡山の大原財閥に端を発する大手化学繊維メーカーです。
同社は多くの世界初製品を保有しており、先駆者であるが故か世界シェアや国内シェアトップの製品を多く保有しています。
また海外売上高比率も高く、8割程度は海外からの売上です。
配当は総還元性向50%と累進配当を新たな目標として掲げており、また過去には減配を行ってきていますが、EPS(一株当たり純利益)に対して減配額が少額であることから、企業側に安定配当の意識があり、またそれを明文化したことにより今後は一層の安定配当が期待できるものと思われます。
ただし総還元性向には自社株買いを含んでおり、企業としては自社株買いにも積極的な態度を示していることから、配当性向がどのくらいまで引きあがるかは不透明です。
また過去の配当性向自体は決して低くありませんが、相対的に株価が高いのか、利回りは3%程度となっています。
安定配当株ではありますが、高配当株とはいいにくい銘柄かもしれません。
ちなみに同社の株を1株でも保有していると、年末にクラレオリジナルカレンダーを送ってくれるので1株優待銘柄としてはおすすめです。



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