〇3行で銘柄解説
・伊藤忠商事や丸紅を淵源に持つ中堅化学メーカー
・配当方針にDOE導入で安定配当を目指す
・直近の利回りは高く事業も安定だが、長期的な安定配当政策には不透明な点あり
〇会社概要と配当基準日
高機能銘柄分析 マネックス証券
クレハ株式会社は、福島県いわき市に主力工場を有する化学メーカーであり、独自技術を基盤とした高機能製品の開発に強みを持っています。
現在は「化学を基盤に社会に貢献する」を理念に掲げ、グローバル市場での存在感を高めています。
長い歴史の中で培った独自技術と研究開発力を背景に、クレハは持続可能な社会の実現に向けて挑戦を続ける化学メーカーとして位置づけられています。
同社は1944年に伊藤忠商事や丸紅系列の呉羽紡績から、化学工業薬品と肥料の事業を分離して、呉羽化学工業として設立されました。
戦後は合成樹脂や農薬などへ事業領域を広げ、1960年代には家庭用ラップフィルム「クレラップ」を発売し、一般消費者向け製品でも高い知名度を獲得しました。
その後も炭素材料やリチウムイオン電池用バインダー、医薬品原料など先端分野に注力し、独自技術を活かした高付加価値製品を展開しています。
2000年代以降は環境対応やエネルギー分野への応用を強化し、リチウムイオン電池材料や医薬品中間体の供給を拡大しました。
同社の配当は年度ごとの推移をみると、やや不安定に見えます。
ただし直近2025年度、2026年度ではDOE5%の配当目標を掲げており、その間は安定した配当が期待できそうです。
2025年度はこの目標を導入してすぐのため、配当金額が跳ね上がっており、それにより利回りも高くなっています。
ただDOE5%は他社と比較してやや高い目標数値でもあるので、2027年度以降にどうなるかは見通せず、減配となる可能性も否めません。
配当基準日:3月末
〇直近株価と配当額と利回り
株価:3,820円
配当額:219円
利回り:5.73%
利回りは5%台後半です。
DOEを導入してすぐの会社の配当金額が跳ね上がるように、クレハも今期配当金見通しを高く設定しております。
その影響で例年よりも高めの利回りとなっています。
〇配当方針
「将来の事業展開に向けた積極投資に資する内部留保を充実させつつ安定的な配当を基本方針とし、2025年度から配当基準として、DOEを導入する。」
「2025年度および2026年度において、DOE 5%を目安とした配当を行う。」としています。
〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)

利益(EPS)は安定しており、配当金は利益の範囲内で行っています。
ただし毎年の配当金には少々ばらつきがあり、この10年間で減配を2回行っています。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:1,907億円
自己資本比率:60.6%
時価総額的には中堅化学メーカーといったところ。
自己資本比率は高めで、数年ならEPS以上の配当をしても間に合いそうな印象を受けますが、果たしてどう出るか。
〇過去10年間のチャート



引用:国内株式|SBI証券
2025年から株価が急上昇を見せています。
これは配当方針にDOEを導入し、高配当を出すことを公表したことが影響していると思われます。
〇総括
クレハは1944年に創業した、中堅化学メーカーです。
機能製品事業、化学製品事業、樹脂製品事業、建設関連・その他関連事業の4事業展開で、各事業バランスよく売上高を上げております。一般消費財として「クレラップ」は有名です。
過去10年の配当実績を見た場合、クレハは安定配当に疑問符が付きます。10年間で2回の減配を行っているからです。
しかし2025年度から配当方針にDOEを導入したことにより、今後はある程度安定した配当が見込めるかと思われます。
ただし2025年度と2026年度はDOE5%を明言していますが、それ以降のDOE水準はまだ公表されていないことや、DOE5%という数値が他社の設定するDOEの数値目標よりも高めな点から、2026年度以降はDOEの目標水準が下がることや、ひいては減配となる可能性が否めません。
利回りの観点から見た場合、2025年度現在で6%近い数値となっているため十分高配当銘柄の水準にあります。
これは直近でDOE目標を設定し、その影響で今期配当金額が大きく増えたことが理由に挙げられます。
2027年度以降の配当がどうなるかは分からず、安定配当が望めるかは疑問符が付きますが、直近だけ見れば高配当な銘柄です。
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