黒鉛電極や炭素繊維など炭素が強み 日本カーボンの安定高配当株分析

・中堅ながら世界シェアに名を連ねる炭素製品の総合企業

・赤字の際も減配しない、10年以上減配がない安定配当銘柄

・利回り4%ながら5%も狙える高配当株候補

目次

〇会社概要と配当基準日

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日本カーボンは黒鉛電極や炭素繊維など炭素製品を取り扱う、総合炭素メーカーです。従業員数や資本金から見ると中堅規模の企業と言えます。

日本カーボンは日本の炭素工業の草分け的存在で、1915年に創業しました。黒鉛電極は電炉での製鉄に使う製品で、創業時は天然黒鉛電極を製造していました。やがて1927年に日本初の人造黒鉛電極の製造に成功します。以降1962年には炭素繊維の工業化など、炭素製品を中心に事業を拡大していきます。

黒鉛電極ではパイオニアとしての評価を国内で得ており、世界シェアでは6位相当に地位に存在します。海外売上比率は5割程度です。



配当は10年以上減配がなく安定しています。途中赤字の時期もありましたが、減配せずに配当を出しています。直近では200円の配当金を出していますが、EPS(一株当たり純利益)が減少しているため配当性向が高くなりつつあるのが懸念材料です。配当利回りは4%近く、タイミングによっては5%近くを得られる銘柄です。


配当基準日:12月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:5,390円

 配当額:200円

 利回り:3.71%

利回りは3%後半となっています。タイミングによっては4%を狙える位置ではあります。


〇配当方針


長期的かつ安定的な配当を基本方針としています。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)



2016年は赤字でしたが減配はしませんでした。2018、19年は大きな利益を上げています。直近2021、22年は配当性向が高くなっています。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:637億円

 自己資本比率:63.0%

時価総額は中堅規模ですが、自己資本比率は比較的高めです。配当原資にある程度余裕はありそうです。

 

〇過去10年間のチャート


引用:国内株式|SBI証券


一時期8,000円近くまで上がりましたが、最近では4,000円近くをうろうろした後、6,000円を目指して上がっています。



〇総括

日本カーボンは総合炭素メーカーとして日本で初めて人造黒鉛電極を製造したことで一目置かれている企業です。安定した利益を毎年上げていますが、その一方で看板商品の黒鉛電極では世界6位クラスといえど、シェアは3%にも満たないレベルです。そのため日本カーボンでは新規事業分野としてファインカーボンや半導体分野に進出し、成長を遂げています。


配当方針は安定的で10年以上減配はありません。利益も割と安定して上げています。配当方針は安定を謳う程度ですが、利益に関わらず減配をしていないため、今後も余程のことが起きない限りは減配する可能性は低いと思われます。2024年度のEPSは前年と同程度の300円台で、これがより成長する方向に期待したいです。

利回りは株価4,000円台ならば5%近くを得ることができる高配当株です。直近では株価が上昇しているので狙いにくいですが、それでも3%後半の利回りはあります。今後利益が横ばいと仮定するならば、配当性向から考えて配当金200円を上乗せするのは難しいと思われることから、株価が4,000円台まで下がったところで購入したいところです。

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かめはち

かめはち

資産運用初心者向けに情報を発信中。資産運用歴10年以上、資産運用に関する本は100冊以上読破。増配株・高配当株での配当生活を目標に資産を増やすべく運用中。


大学で金融を専攻後、新卒から投資信託で資産運用を始め、NISAやiDeCoの活用、ETFや個別株にも手を出す。

一時期高配当株にハマり、高配当株戦略を通じて毎年不労所得で税後120万円(月10万円)の安定した収益が手に入る体制を作り上げる。

大企業の子会社で7年間、合併対応を含めた多額の資産を伴う会計処理や財務分析、税務処理を担当。
経理部会計課では課長補佐として中心的な役割を担い、多岐にわたる業務を幅広く経験。

著書に「年収400万円から資産3,000万円を達成!ゼロから始めるサラリーマン投資術」など。

金融関係本の読書量と月10万円の不労所得を築き上げた実体験に基づいた、初心者でも安心して始められる資産運用の方法を提供します。


趣味は読書、野球観戦、鉄道、将棋など。日商簿記検定3級、3級ファイナンシャル・プランニング技能士、資産運用検定3級保有。

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