土木から地熱・バイオマス発電へ 西松建設の安定高配当株分析

・土木工事を得意とする、歴史ある準大手ゼネコン

・数回の減配あれど利益は安定、しかし配当は業績連動の側面あり

・5%近くの利回りで高配当株ながら、減配の可能性はついて回る

目次

〇会社概要と配当基準日


西松建設は大型土木工事を得意とする、150年近くの歴史を持つ準大手ゼネコン(建設会社)です。昨今は土木工事の他にも、病院や学校などの建築も行っています。

西松建設は1874年に創業し、当時は土木稼業の他、西南戦争の武器や弾薬の輸送を行う予定でしたが、戦地に乗り込んだ時には戦争は終結しており、創業者西松桂輔の目論見は外れます。その後創業者西松桂輔は土木稼業から引退し、長男の光治郎に後進を譲ります。1909年には南満州鉄道の工区を施工、1919年には西松中興の大工事を行います。その後1948年には商号を現在の西松建設とし、ダムやトンネル等土木工事や大手町合同庁舎建築工事などを行い現在に至ります。



配当は安定とまでは言えないかもしれませんが、毎年一定額を出しています。それよりも西松建設の場合は利回りが高い場合が多く、4%以上を期待できることが多いです。減配はありますが利益は毎年安定して上げており、無理な配当もしていません。ただし直近で配当性向を高めたため、将来配当性向を下げる時期が訪れると考えると、今の配当金の高さは特殊ともいえます。


配当基準日:3月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:4,797円

 配当額:220円

 利回り:4.58%

現時点では大体4~5%の利回りです。年度によっては6%の利回りとなることもあります。


〇配当方針


安定的かつ継続的に利益還元していくとし、中期計画2025では配当性向70%とする計画を立てています。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)



2016年からほぼ安定してEPS(一株当たり純利益)300円以上を稼ぎだしています。赤字もなく、業績は安定していると言ってよいでしょう。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:2,451億円

 自己資本比率:29.1%

時価総額は準大手相応と言えるでしょう。自己資本比率は低めです。直近では配当に多くを回した結果かもしれません。

 

〇過去10年間のチャート


引用:国内株式|SBI証券


株価は現在上昇中です。それでも利回り5%を保っています。配当方針の変更で配当金額が下がれば株価も下がって利回り5%近くを保つようになるかも分かりません。



〇総括

西松建設は戦前から存在している準大手のゼネコンです。大型土木工事を得意としており、過去にもダムやトンネルを多く作ってきました。最近ではデータセンターや環境施設などDX・GX分野や、まちづくりの分野にも進出を加速しています。


配当方針は安定的とし、中期計画では配当性向70%を目安としています。毎年安定して利益を上げているため、大きな減配は考えにくいですが、自己資本比率が低いことや、過去に減配も行っているため、何かしらの理由で業績が悪化した場合は配当性向に沿って減配を行う可能性が高いと考えます。毎年高利回りが期待できるのは魅力的ですが、配当の安定感という意味では累進配当やDOE株と比較してやや劣るという印象です。毎年安定して4%位の配当が欲しいのならば別の銘柄を、減配の可能性があっても高い利回りを狙いたいなら西松建設を選択するという考え方ができると思います。

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かめはち

かめはち

資産運用初心者向けに情報を発信中。資産運用歴10年以上、資産運用に関する本は100冊以上読破。増配株・高配当株での配当生活を目標に資産を増やすべく運用中。


大学で金融を専攻後、新卒から投資信託で資産運用を始め、NISAやiDeCoの活用、ETFや個別株にも手を出す。

一時期高配当株にハマり、高配当株戦略を通じて毎年不労所得で税後120万円(月10万円)の安定した収益が手に入る体制を作り上げる。

大企業の子会社で7年間、合併対応を含めた多額の資産を伴う会計処理や財務分析、税務処理を担当。
経理部会計課では課長補佐として中心的な役割を担い、多岐にわたる業務を幅広く経験。

著書に「年収400万円から資産3,000万円を達成!ゼロから始めるサラリーマン投資術」など。

金融関係本の読書量と月10万円の不労所得を築き上げた実体験に基づいた、初心者でも安心して始められる資産運用の方法を提供します。


趣味は読書、野球観戦、鉄道、将棋など。日商簿記検定3級、3級ファイナンシャル・プランニング技能士、資産運用検定3級保有。

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