〇3行で銘柄解説
・無借金経営でも有名な世界的ゲームメーカー
・配当性向は高めだが利益に連動する印象が強い
・利回りは1%台と高配当には程遠い
〇会社概要と配当基準日
高機能銘柄分析 マネックス証券
任天堂は日本を代表する世界的なゲームメーカーです。
コンテンツとしては「スーパーマリオブラザーズ」や「ゼルダの伝説」などが有名で、ハードウェアでも初代携帯ゲーム機ゲームボーイをはじめニンテンドースイッチを販売しています。
ちなみに「ポケットモンスター」は任天堂の関連会社です。
昨今ではスマホゲームが流行しているため、ゲーム業界は収益が上げにくい状況にありますが、そんな中でも家庭用ゲーム機のメーカーとして健闘しています。
無借金経営でも有名で、自己資本比率は高めとなっています。
任天堂の始まりは1889年に工芸家の山内房治郎が花札製造を始めた「山内房治郎商店」にあります。
その後1902年頃に日本で初めてトランプを製造、1933年に合名会社山内任天堂を設立しました。
任天堂の名前の由来は「運を天に任せる」だと言われています。
同社は1959年にウォルト・ディズニー社とライセンス契約を結び、「ディズニートランプ」を販売、テレビ宣伝を駆使して販路を拡大し、圧倒的なシェアを築き上げました。
その後はタクシー事業やインスタントライス製造など経営の多角化を模索しましたが失敗。
1963年に社名を「任天堂」に改称、1965年頃から室内ゲーム機開発に着手し、1977年に三菱電機と共同で家庭用ビデオゲームを開発。
1983年に「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」を発売しました。
ファミコンのソフトである「スーパーマリオブラザーズ」がヒットしたことで業務用ゲーム機事業などの他事業から撤退し、ファミコン事業にシフトしました。
その後はゲームボーイなど様々なゲーム機やソフトを販売し、現在に至ります。
配当は毎年利益の範囲から出しています。
配当性向は大体50%程度と高めです。
ただ減配も多く、配当が安定しません。
大企業故か利回りも高いとはとても言えず、意外なことに株主優待もないため、配当や優待狙いで長期保有するにはあまり適さない銘柄だと言えます。
配当基準日:3月末
〇直近株価と配当額と利回り
株価:11,130円
配当額:116円
利回り:1.05%
利回りは1%台で高配当とはとても言えません。配当狙いで持つ銘柄ではないでしょう。
〇配当方針
「当社は、株主の皆様への直接的な利益還元については、各期の利益水準を勘案した配当により実施することを基本方針としております。」としています。
ホームページには厳密な配当金の算出方法が載っています。
〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)

基本的には毎年安定して利益を上げており、無配ということは10年以上ありません。
ただし配当金の額は安定しないです。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:14.4兆円
自己資本比率:79.5%
時価総額は14兆円と日本の企業の中でも上位10社に入ります。
自己資本比率も無借金経営故、高めになっています。
〇過去10年間のチャート



引用:国内株式|SBI証券
株価は徐々に右肩上がりで堅実に成長しています。
家庭用ゲーム機という特性がコロナ禍の巣ごもり需要にプラスに働いたためか、2020年近辺も大きな株価下落はありませんでした。
〇総括
任天堂は日本を代表する、世界的なゲーム機器・ゲームソフトメーカーです。
日本のIP産業を代表するような銘柄であると同時に時価総額も日本企業で上位10社に入るなど、日本の代名詞ともいえる有名企業になっています。
無借金経営でも有名です。
これだけ有名かつ大規模な会社ですが、配当に関しては振るいません。
有名企業故に株価が高止まりしているのか利回りは1%台と低く、また配当金の金額についても安定しません。
ついでに株主優待もありません。
安定高配当株という観点から見ると、任天堂はあまりおすすめできる企業ではありません。
ただし、この10年間着実に成長を重ね、株価も少しずつですが上昇を続けているので、長期で保有してキャピタルゲイン(売却益)を狙うという戦略は有りだと考えます。



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