株価チャートは右肩上がりに推移 日立製作所の安定高配当株分析

日立製作所安定高配当株診断

・日立製作所とその周辺企業でグループを作れる大手総合電機メーカー

・配当は増配傾向で利益もしっかり出している

・利回りは1%台と低く、配当性向も低めで配当株の旨味は薄い

目次

〇会社概要と配当基準日

高機能銘柄分析 マネックス証券


日立製作所は国内首位の総合電機・重電メーカーで、2025年3月現在では時価総額でも日本で上位5社に入る、日本を代表する企業です。

事業も多岐にわたり、一般消費者に馴染みの深い家電事業やエレベーターなどのビルシステムをはじめ、システム関連や産業機器、発電機や鉄道関連、IT関連と、本体である日立製作所だけでも幅広く手掛けています。

「本体」と書いたのは、日立製作所はそれ単独でグループを作っているからで、「この木なんの木」のCMで日立グループの企業が並んでいるのを見た方も多いと思います。

最近では日立製作所から日立グループ企業の分離が多くみられ、その中には日立御三家と呼ばれる企業である「日立電線(日立金属を経て現:プロテリアル)」「日立化成工業(現:レゾナック)」「日立金属(現:プロテリアル)」も含まれますが、「日立建機」「日立物流」など一部企業は健在です。

同社は今後の事業方針として世界的なAIの需要拡大を踏まえ、データセンター事業に力を入れるとのことです。

日立製作所は1910年に久原鉱業所日立鉱山の工作課長だった小平浪平が、鉱山用の機械修理工場を茨城県日立に移転したことが始まりで、1920年に久原鉱業から分離して日立製作所を設立しました。

ちなみに分離元である久原鉱業は後の日産自動車に繋がっていきます。

戦後に日立製作所内の有力事業を分離してそれぞれ「日立金属」「日立電線」「日立化成」の御三家を設立し、日立グループを設立しました。

茨城県日立は田舎だったため仕事に没頭せざるを得ない環境のため、真面目で堅実な社風が醸成されたとされています。

また家電メーカーでは「公家の東芝、野武士日立、殿様三菱、商人松下」と比べられました。

一本気で純情、反骨精神に富み負けず嫌いという日立精神を表す言葉とされています。



配当は2025年3月期に増配がされれば10年連続増配株となります。

2020年3月期を除けば基本的に利益の範囲内で配当を行っており、減配もせずに安定しています。

ただ日本を代表する企業であるためか、株価が高いことが多く、また配当性向も30%に満たない年が多くて高くないため、利回りは1~2%程度と非常に低いです。

連続増配株として期待するなら保有する手もあるかもしれませんが、どちらかというとキャピタルゲイン(売却益)狙いの方がまだ向いているのではと思える銘柄です。


配当基準日:3月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:3,647円

 配当額:42円

 利回り:1.15%



利回りは1%台で高配当とはとても言えません。

10年連続増配銘柄に王手をかけていますが、それを踏まえても配当狙いで持つ銘柄ではないでしょう。


〇配当方針


「投資等のために必要な資金を確保しながら、安定的に実施していく方針としており、業績動向、財政状態、配当性向等を総合的に勘案して決定していきます。」としています。

つまりは特に目安等は決めていないということです。

ただ過去10年の配当実績を見ると、大体配当性向は20~30%程度かなという感じです。


〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)



毎年安定して利益を上げており、基本的にはその利益の中で配当を出しています。

2020年3月期は利益が落ちましたが、前年比で1円の増配となっています。

それを考えると、連続増配株を目指しているのかなという風にも見受けられます。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:16兆7,045億円

 自己資本比率:46.7%



時価総額は17兆円程度ですが、一時期は20兆円を超えていました。

日本でも五指に入る時価総額の高さです。

自己資本比率も十分な数値と見受けられます。

 

〇過去10年間のチャート


引用:国内株式|SBI証券


2021年から大体順調に上がってきています。

2020年から2025年の一時期まで、実に株価が9倍にまで膨れ上がりました。



〇総括

日立製作所は日本を代表する総合電機メーカー・重電メーカーです。

時価総額はここ5年で大分上がり、日本でもTop5に入るほどに成長した企業でもあります。

同社は日立グループを形成し、日立御三家と呼ばれる企業も存在していましたが、選択と集中ということか、直近ではだいぶ分離を図っています。

その代わりにデータセンター事業に注力するなど、日立製作所本来の強みに集中している印象です。




配当は2025年3月期に予定通りの配当が行われれば、10年連続増配株となります。

それ以前、少なくとも2011年から減配はないため、配当としては非常に安定している銘柄です。

ただし配当性向は低く、配当方針も特に定めていないに等しく、さらには日本を代表する、著名かつ大規模企業ということもあって株価も高いので、利回りは毎年低い傾向にあります。

そうすると増配株としての旨味も半減しますので、どちらかというと配当狙いで保有するよりはキャピタルゲイン(売却益・利ざや)狙いで保有することをおすすめしたい銘柄です。

ただこの企業は時価総額が高いのが難点です。

日本株の時価総額はトヨタ自動車がダントツで高く約40兆円で、次いで三菱UFJフィナンシャル・グループなどその他銘柄で20兆円程度となります。

日立製作所もこの20兆円グループに入っており、この上に行くにはトヨタ自動車と同等の規模が必要になるため、天井が見えている状況です。

とはいえ日立は急速に時価総額を上げてきた企業でもあり、日本を代表すると言っても過言ではない企業のため、力を入れるデータセンター分野などがうまくハマればトヨタ自動車と比肩しうると思います。

つまりは現状から2倍株くらいになる可能性を否定できません。





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