〇3行で銘柄解説
・日本初の生命保険相互会社で生保業界2位級
・配当は累進配当で安定
・利回りは3%台でタイミングによっては4%に乗ることも
〇会社概要と配当基準日
第一生命ホールディングス(以下HD)は第一生命保険を中心とした生命保険などの持ち株会社です。
傘下には国内生命保険の第一生命保険、第一フロンティア生命保険や海外保険で米国企業のプロティクティブ、豪州のTALのほか、国内福利厚生大手のベネフィット・ワンも存在しています。
生命保険業界においては盟主である日本生命を追う2番手グループに位置します。
同社は国内の生命保険以外の事業にも注力しており、今後多角化を進めることを示して2026年4月から「第一ライフグループ」に社名変更する予定です。
第一生命保険の創業は1902年で当時の農商務省の初代保険課長を退官した矢野恒太によって、日本発の相互会社(第一)として設立されました。
相互会社とは保険の契約者がお金を出し合って事業資金とする、保険業界にのみ認められた形態です。
「日本生命保険」「明治安田」「住友生命保険」などは株式会社ではなくこの相互会社のため株式市場に上場しておりません。
相互会社は買収による乗っ取りなどがない反面、資金調達が難しいため、第一生命保険の場合は2010年に株式会社に転換しています。
また戦後米国による日本占領時に、GHQが第一生命ビルを本部としたことは有名です。
現在は「第一生命日比谷ファースト」という名称で第一生命HDの本社機能が存在しています。
配当は累進配当を採用しているため、減配の心配は基本的にありません。
また基本的には毎年利益の範囲内に配当金額が収まっているため、今後も累進配当を続ける余裕はありそうです。
利回りに関しては3%台とまあまあ。
タイミングによっては4%台に上がることもあるため狙っていきたいところです。
高配当かはタイミング次第ですが、安定銘柄であることは確かでしょう。
配当基準日:3月末
〇直近株価と配当額と利回り
株価:4,433円
配当額:133円
利回り:3.00%
利回りは3%で、これを書いている現在では株価が高めになっているため2%台を伺う数値となっております。
〇配当方針
累進配当かつ配当性向40%以上を掲げています。
また同社は株主優待を実施しております。
〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)



基本的には毎年安定して利益を上げており、配当金の金額も利益の範囲に収まっています。
ただ配当性向についてはまちまちです。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:4兆3,626億円
自己資本比率:5.7%
時価総額は4兆円クラスと文句なしの大企業です。
自己資本比率は金融業のため低めに出ています。
EPSで見たように利益はきちんと出しているので倒産などの心配は特にないでしょう。
〇過去10年間のチャート



2020年から右肩上がりで順調に株価を上げております。
2024年8月に日本株全体で大規模な暴落が起きたので、その時だけは3,500円程度まで株価を下げましたが回復傾向にあります。
〇総括
第一生命ホールディングスは第一生命保険を中心とした国内生命保険2位級の保険会社です。
ただし今後の戦略としては福利厚生関係の会社であるベネフィット・ワンを買収したように、生命保険だけでなく他業種にも進出し多角化を図る予定です。
それを示すように2026年4月には現在の社名から「第一ライフグループ」とする予定です。
この「ライフ」に着目する経営は損害保険業界ではSOMPOホールディングスが似たようなものを掲げております。
配当は累進配当を採用しており、また毎年の利益も十分に出ているため安定的です。
利回りに関しては3%台を中心に2~4%台の幅で推移しています。
3%台だとやや不満に思えますが、同社は過去10年の内9年は増配を行っているため、長い目で見れば実質的な利回りは上がっていく傾向にあるかもしれません。
ただできればタイミングを見計らって4%台の利回りになったときに買いたい銘柄です。


