旭硝子は無関係な「イヒ」のCMでおなじみ 旭化成の安定高配当株診断

・国内3位級の総合化学メーカー

・赤字の年含め10年以上減配の無い安定株

・利回りは高くなく、増配意欲有も実績に乏しい

目次

〇会社概要と配当基準日


旭化成は国内3位規模の総合化学メーカーです。

事業は多岐にわたり、石油化学の他に繊維や住宅、建材、電子部品、医薬品、医療分野などに及びます。

海外にも展開しており、海外売上高比率は約50%です。

またサランラップやリチウムイオン電池用セパレータをはじめ、ニッチ分野ながらも高シェアを誇る製品が多いことも特徴です。

創業は1922年で当時の15大財閥の一つである日窒コンツェルンの一部でしたが、戦後の財閥解体で1946年に日窒化学工業が改名して旭化成となりました。

事業活動の他にも柔道や実業団駅伝でも存在感を発揮しています。



配当は10年以上減配がなく、かつ配当方針で実質的に累進配当を掲げているため安定しています。

利回りは時期によりますが3~4%台となることが多いです。

会社側も長期保有の株主のために安定配当で報いる姿勢を取っており、今後も安定した配当が期待できる企業かと思います。


配当基準日:3月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:1,036円

 配当額:36円

 利回り:3.47%

利回りは現在3.5%程度で、配当の上昇と株価次第では4%も狙えるかなといったところです。


〇配当方針


安定配当かつ継続的な増配を基本方針としており、配当金額の維持を目指すとしています。

また配当性向30~40%を目安としています。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)



最近の石化事業の不振を受けてか、赤字や利益低下が見えますが、それでも減配せずに配当金を維持しています。

特に2023年3月期は赤字にも関らず2円の増配をしています。但しそれまでは5年連続で配当金額は据え置きでした。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:1兆4,287億円

 自己資本比率:49.5%


時価総額は1兆越えと、大手化学メーカーにふさわしい規模です。自己資本比率も安定的です。

 

〇過去10年間のチャート


引用:国内株式|SBI証券


2018年に最高値を付けるまでは右肩上がりでしたが、その後下降し、現在は1,000~1,200円くらいをゆるやかに移動しています。



〇総括

旭化成は旧15大財閥を起源に持つ、日本を代表する大手化学メーカーです。

事業は石油化学のみならず、様々な事業を行っています。

サランラップやヘーベルハウスといった、消費者になじみのある製品も取り扱っています。

今後の注力分野としては時代の流れに合わせており、健康長寿社会への対応として医療機器や、EV用リチウムイオン電池セパレータ、電子部品、水素製造システム等を上げております。


配当は安定しています。

10年以上減配がなく、また配当方針では配当金額の維持を謳っております。

また説明会資料でも長期保有株主のために安定的な配当を行うことを掲げています。

その言葉通り、赤字年度でも減配をせずに配当を維持しています。

配当方針では増配を目指すとしていますが、昨今の事業環境が影響してか、あくまで目標の域を脱していないという印象です。

配当利回りは大体3~4%くらいで、4%で買うことができれば増配の期待も合わせて持っていてよさそうかなという印象です。

ただ増配については現状安定したものではなく、また利回りも決して高くはないので、安定配当株ではありますが高配当株ではないかと判断します。

利回りと増配に期待ができれば保有価値はあるかとは思います。

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