〇3行で銘柄解説
・九州発祥の中堅住宅メーカー
・連続増配年数は9年で、10年連続を狙う
・利益成長に合わせた配当を行う印象のため、今後も増配が続くかは利益次第
〇会社概要と配当基準日
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タマホームはローコストの注文住宅をメインとする中堅住宅メーカーです。
玉木一族によるオーナー企業で、社長・会長その他株主に「玉木」姓が多く載っています。
エリアとしては首都圏郊外や地方を中心としています。
また注文住宅だけでなく分譲住宅・リフォーム・不動産などの事業も行っております。
創業は平成の1998年で筑後興産株式会社の土木、建築、設計、不動産業を分離独立してタマホームとしました。
筑後の名の通り創業は福岡だったのですが、西日本を中心に支店網を拡大し、2004年には大阪・泉佐野に支店を開設、同年大阪本社も設立します。
翌2005年には東京都港区に東京本社を設立し、以降東京を拠点として活動、2013年に東証一部上場を果たしました。
配当は9年連続増配中で、2025年5月期も増配予定なので10年連続増配になる予定です。
増配額も2023年5月期は若干多めながらも安定して増えていると見えます。
自己資本比率は30%台とやや低めの印象ですが、毎年きちんと利益を出しており、かつ利益の中で配当を行っているため倒産を憂慮するほどではないと思われます。
配当の支払いは期末である5月の一度きりですが配当利回りは高く、株主優待も貰えるため保有しても悪くない銘柄だと判断します。
配当基準日:5月末
〇配当方針
経営成績に応じて株主の皆様への利益還元を継続的に行うことを基本方針としています。
早い話、特に決めていないようです。
同社は株主優待を実施しております。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:1,075億円
自己資本比率:34.0%
時価総額は1,000億円程度の中堅株です。
〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報

2015~16年5月期はEPS(一株当たり純利益)が赤字ながらも配当を出していました。
以降は毎年利益を上げ、その範囲内で配当を出しております。
ただ他の年度の配当性向が40%台なのに対し、直近2023~2024年5月期は60%台まで上がっているので息切れしないかは気になります。
〇比較込20年シミュレーション
投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。



「冗談だろ」「何かの間違いだ」と言いたくなるような数値です。
これは平均増配額が20円と高いことと、利回りが5.5%近くと非常に高いことが原因です。
見方によっては今は買い時なのかもしれません。
〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション



株価6,650円で6%配当株の水準に大体並びます。
今の株価の倍近い水準です。
ただ成長を続けている企業なので、もしかしたらいずれこの株価をクリアしてくるかもしれません。
〇過去10年間のチャート



引用:国内株式|SBI証券
直近では株価が下落傾向にありますが、長期で見れば右肩上がりに上昇を続けています。
〇総括
タマホームはローコスト注文住宅を武器とした中堅住宅メーカーです。
同社の発祥は東京の多摩……、ではなく福岡で、社名は企業オーナーの玉木氏から取ったものと思われます。
創業が比較的新しく1998年で、直近のEPS(一株当たり純利益)を見ていると成長途中とも見える銘柄となっています。
しかし売上の伸び率などから判断すると、小型成長株のような伸びは期待できそうにありません。
同社は9年連続増配中で、現在10年連続を視野に入れています。
おおむね毎年利益の範囲内で配当を行っていますが、直近では配当性向が60%台とやや高くなっているので息切れが心配です。
ただし先に書いたように、この企業は創業が比較的新しいことと、毎年のEPSが拡大傾向にあることから、利益の伸びに応じて増配が続くことは大いに期待できるものと思われます。
中間配当がないのが気になりますが、現在の利回りが5.5%近くと非常に高いこともあり、狙い目にある銘柄だと言えそうです。


