〇3行で銘柄解説
・国内首位の通信事業者で日本を代表する大企業
・13年連続増配で今後も増配の可能性高いが増配額小さく、長期保有のメリット薄し
・100株保有で4,500円分のdポイントが貰える株主優待を狙いたい
〇会社概要と配当基準日
NTT(日本電信電話)は携帯電話事業の「NTTドコモ」およびインターネット光回線事業の「NTT東日本」などでシェア1位の会社を束ねる持ち株会社です。
元々は官営(国の事業)でしたが、日本電信電話公社を経て1985年に民営化しました。1990年前半の日本経済最盛期の時代には、時価総額が日本だけでなく世界一の会社になりました。
JT(日本たばこ産業、旧日本専売公社)と同じく筆頭株主は財務大臣です。
配当は13年連続増配中で、ここ10年だけでも利益は安定しており、利益の範囲で配当を出しています。また自己資本比率も高いため、今後も増配が続く可能性は高いと思われます。
1株100円台と買いやすい銘柄ですが、毎年の増配額が微々たるものなので長期保有しても配当の旨味は少ないと思われます。
むしろ同社の株は株主優待をdポイントで行っており、そちらの方が旨味があるので優待株として保有をする方が良いでしょう。
配当基準日:3月末
〇配当方針
継続的な増配を基本方針としています。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:15.6兆円
自己資本比率:34.7%
かつて世界一の時価総額を誇った企業ですが、現在でも日本の時価総額ではトップクラスに入る大企業です。自己資本比率も十分な数値ですね。そう簡単に潰れることはなさそうです。まあ事業自体がそう簡単に需要がなくなるものではないのでね…。
〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



2012年から13年連続増配中です。毎年EPS(一株当たり純利益)の範囲内で配当を行っております。また利回りも3%台で、極端に悪いわけではありません。しかし増配額が微々たるものです。
〇比較込20年シミュレーション
投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。



5%安定配当株にははるかに及びません。増配額が小さいため、ほぼ利回り3%安定株のような累計配当金額になっています。
〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション



株価が83円程度で、6%安定配当株に20年後配当金累計で並ぶことになります。ただNTTは通信業でディフェンシブ銘柄であり、現状から株価の大きな変動が起こることは期待しにくいため現実的ではないでしょう。
〇過去10年間のチャート



SBI証券より引用
ここ10年間右肩上がりですね。NTTは通信業なのでディフェンシブ株としても認知されています。
〇総括
日本電信電話(NTT)は日本最大手の通信事業者で、時価総額も日本トップクラスの大企業です。通信事業会社は菅内閣の携帯電話料金引き下げの影響を受けましたが、各社生き残りのために成長戦略を描いています。NTTの場合は光電融合デバイスの製造やデータを用いた金融・ヘルスケア分野への投資、データセンターの拡張を企図しております。最近では成長著しい半導体の分野へも進出を図っています。通信事業自体も安定しているため、今後の業績もある程度安定が見込めるでしょう。
同社は13年連続増配をしている連続増配株で、かつ株価も非常に安く設定されているため個人投資家にも買いやすい優良銘柄と言えます。長期保有で4,500円相当の株主優待も得られるので、持っておいて良い銘柄だと思います。
但し現在の利回りは3.2%、2022年も3.2%と、高配当銘柄と言うには心もとない数値です。株価においても、通信事業はNTT、KDDI、ソフトバンクの3社で実質寡占状態ですので大きな下落は見込みにくいと思われます。連続増配で将来の利回りが上がることを期待したいですが、増配額が小さいためあまり期待できそうにありません。優待狙いの株として保有することをお勧めしたい銘柄です。


