〇3行で銘柄解説
・国内最大手住宅メーカーで住宅以外にも進出
・15年連続増配中の銘柄で増配額も文句なし
・株価が高く利回りが低いのが難点
〇会社概要と配当基準日
大和ハウス工業は日本の住宅メーカー最大手の企業です。
その売上規模はスーパーゼネコンと呼ばれる大手建設メーカー5社(鹿島、大林組、清水建設、大成建設、竹中工務店)をも上回り、住宅2強と呼ばれる相手である積水ハウスも凌駕しています。
創業は1947年で、鉄骨プレハブ住宅を日本で最初に世に送り出した企業です。
1961年には日本初の民間デベロッパーである「大和団地」を設立、同年には業界初の住宅ローンの導入を行いました。
住宅事業の他にもマンション・アパートやホテル、商業施設、物流施設にREITまで手掛けている住居系の総合メーカーです。
また海外では米国の戸建て住宅にも強みをもっています。
配当基準日:3月末
〇配当方針
当期純利益の35%以上かつ下限130円とした安定的な配当に努めるとしております。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:3兆1,166億円
自己資本比率:37.3%
時価総額は3兆円規模です。自己資本比率も40%近くと安定しております。
〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



2009年から15年連続増配中です。EPSも十分な金額を稼いでいます。
2019年から配当金の増配額が以前と比べて低めでしたが、2022年からは以前の増配額に劣らない増え方をしています。
ちなみに2025年3月期の配当額は147円を予定しているため、増配額は4円です。
〇比較込20年シミュレーション
投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。



現時点で保有した場合、5%安定配当株と同じくらいの20年後配当金累計額となります。ただ計算に用いている増配額の平均が約9円なので、直近の低い配当金増配額が続くようなら5%安定配当株の方が得をする可能性が高いです。
〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション



株価が3,950円の状態ならば、6%安定配当株に20年後配当金累計で並ぶことができます。
〇過去10年間のチャート



SBI証券より引用
コロナの影響で2020年近辺は株価が下がっていますが、それ以外はおおむね上昇しています。
2023年まで株価が停滞していましたが、そこから順調に上昇を続けています。
移動平均線を見る限り、しばらくは上昇が続きそうです。
〇総括
大和ハウス工業は日本の建築・住宅メーカーでトップクラスの大企業です。
事業も戸建て住宅だけでなくマンションや商業施設、物流施設やREITなど多岐にわたり、どれか一つの事業がコケたとしても、他でカバーできるのは強みです。
毎年の利益に対して無理をした配当を出しているわけではないので、仮に一時的に業績が下がっても配当は期待できそうです。
ただしこの企業の場合は利回りが低いことが懸念点です。
株価も上昇を続けているため、当面は3%を超える利回りは期待できそうにありません。
長期保有で配当を期待するよりは、現状ではキャピタルゲイン(利ざや)狙いの方が儲かりそうです。


