ディーゼルエンジンとトラックに強み いすゞ自動車の安定高配当株診断

・大手自動車メーカーでトラック、バスが有名

・ディーゼル車の技術は世界でもトップクラス

・配当は12年中1度だけ減配あり、利回りは4%を狙える高配当銘柄

目次

〇会社概要と配当基準日


いすゞ自動車はディーゼルエンジンに強みを持つ自動車メーカーです。「走れ、走れ、いすゞのトラック」のCMの通りトラックに強みを持っていて国内シェア1位で、中・小型トラックに限れば世界シェア2位クラスの企業です。

同社の創業は1916年で、当時の東京石川島造船所、東京瓦斯電気工業が自動車製造を企画したことに始まります。

1922年に東京石川島造船所が国産第一号乗用車の「ウーズレーA9型」を完成、1929年には東京石川島造船所が自動車部を分離し、石川島自動車製造所を設立します。

その後合併や社名変更を繰り返し、1937年に現在のいすゞ自動車の前身である東京自動車工業が創立します。ちなみにそれまでの1934年に商工省標準形式自動車を「いすゞ」と命名したり、1936年に日本初の空冷式ディーゼルエンジンの開発に成功し、国内の自動車用ディーゼル機関の製造を独占したりしています。

1941年には国産自動車工業と合併し、社名をヂーゼル自動車工業に変更。以降も日野自動車工業の分離など様々な開発や社名変更等を経て、1949年に商号をいすゞ自動車としました。

ディーゼル車の技術は世界トップレベルの、日本の技術力を証明するような企業です。



配当は12年間の内コロナ禍の年に一度だけ減配を行っておりますが、そのほかの年は減配せずにむしろ積極的に増配をしております。配当も利益の範囲内で行っています。ただ減配を行った2021年3月期も、利益水準だけを見れば減配せずに配当ができたと思われるため、安定配当のモチベーションはあまり高くないように思えます。利回りは4%台を狙えますが、配当は利益に左右されそうな印象があるため、安定しているかと言われると疑問です。


配当基準日:3月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:2,027円

 配当額:92円

 利回り:4.53%

利回りは4.5%程度と、高利回りになっています。2022年3月期からも4%台を狙えることが多かった半面、値動きが激しい銘柄でもあるのでチャンスを逃さないようにしたいです。


〇配当方針


配当性向40%としています。実際この3年間はほぼ配当性向40%での配当を行っています。


〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)



12年間の内、2021年3月期に利益が下がったため減配をしています。丁度コロナ禍の時ですね。その他年度では減配はなく、増配も頻繁に行っています。また直近2022年~2024年3月期までは配当性向が大体40%に安定していますが、利益が出ているため増配となっています。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:1兆4,446億円

 自己資本比率:44.8%


時価総額は1兆円を超える大企業です。自己資本比率も低くはなく、ある程度安定した企業という印象を受けます。

 

〇過去10年間のチャート


SBI証券より引用


2020年の底から割と激しい値動きを繰り返しながら全体として上昇傾向を作っています。直近ではやや株価を下げていますが、過去にも同様のことが起きているためここから上昇することも十分考えられます。



〇総括

いすゞ自動車はディーゼルエンジンに強みを持つ国内の大手自動車メーカーで、特にトラックに強みを持っており、国内シェアは首位を誇っています。元々は重工業メーカーの自動車部で、重工業3位のIHIは同根に当たります。


配当は利益次第というのが正直なところです。今まで利益を上げ続けているため減配はほぼありませんでしたが、減配時も利益が最低限出ていたことからあまり配当に積極的ではない印象を受けています。

直近では増配が続いていますが、これも利益が上がっていて配当性向40%に合わせているからだと思われ、仮に利益が下がったらどうなるのかが不透明です。利回りは4%台を狙える高配当銘柄ですが、安定性という面では疑問に感じる銘柄です。

あわせて読みたい
取引手数料やポイントなどに各社特徴!株初心者にもおすすめ大手ネット証券会社6社を徹底比較! 証券口座開設に悩んでいる人必見!「SBI証券」「楽天証券」「三菱UFJ eスマート証券」「マネックス証券」「松井証券」「GMOクリック証券」のネット証券大手6社を徹底比較!手数料が安い会社、外国株式が豊富な会社、初心者が使いやすい会社など、証券によってサービスに違いあり!これを読めば自分にぴったりの証券会社が見つかります!






  • URLをコピーしました!
目次