毎日何時間も残業をして、お金を使う暇もなく、気が付いたら3,000万円も貯まっていた……。
だけどもう働きたくない……。仕事を辞めて、好きなことして暮らしていきたい……。
そんな願望を持っている方も多いのではないでしょうか。
FIRE(経済的自立)というと、資産が1億円とか、最低でも7,500万円くらいは必要なイメージがあります。
でももう働きたくないあなた!
果たして資産3,000万円でFIREをすることは可能なのでしょうか。
結論から言うと理論上は可能です。
その代わりバイトやフリーランスで少し働くか、節約生活になります。
今回は資産3,000万円でFIREするにはどうすればよいか、考えてみたいと思います。
FIREって何?
FIREとは「Financial Independence,Retire Early」の頭文字をとったもので、日本語に訳すと「経済的自立と早期退職」になります。
詳しいことは下記記事をご覧いただくとして、要するに「働かないで資産からの収入を使って暮らしていく」という生活スタイルのことですね。



「資産からの収入」というのは、資産の値上がり分を取り崩してお金にする場合と配当金をもらう場合の2種類あります。
このサイトでは安定高配当株を使って多くの資産を使用しFIREすることを目的としていますので、今回は配当金を使ってのFIREを考えていきます。
資産3,000万円でFIREした人はどのくらい存在するのか
まずFIREをしたいと考えた人は、資産がいくらくらいの時にそう考えたのでしょうか。それが下の表となります。



引用:【ウェブクルー、FIREに関する調査を実施】FIRE実現のために選んだ資産運用方法TOP3は「株式投資(53.1%)」「投資信託(39.8%)」「不動産投資(29.5%)」|株式会社ウェブクルー
これを見ると、資産3,000万円以上を保有した人が15.5%で、資産1,000~2,000万円の人が32.3%、資産1,000万円未満の人が38.9%存在することになります。
資産3,000万円以上の人は、多分将来の資産1億円や7,500万円を目指して今後もコツコツ運用していこうと考えている人ではないでしょうか。
年齢にもよりますが、30代で3,000万円あれば50代には7,500万円なら貯まりそうなペースです。
資産1,000~2,000万円の人は、資産1,000万円という大台をクリアして資産形成に自信を得た人たちでしょう。
いつかはFIREという人たちがこの層に入っているのだと思います。
資産1,000万円未満の人は20代の人かそれ以外も含んでいるか…。
いずれにせよ大体は会社員としての生活が嫌で働かなくても生活していきたいという考えを持っていながらも、まだぼんやり考えている水準の人かもしれません。
まあみんな会社員生活が嫌でFIREするので気持ちは十二分に分かりますとも。
ではFIREを思い立ってからFIREをするまでにかかった時間と、その時の資産額はどのようなものか。それが下の表になります。



FIREを決断してから5~10年で実現した人が33.1%と最多でした。
また資産額3,000万円未満でFIREした人が30.4%と最多でした。
意外と皆さん3,000万円未満でFIREを達成していることが分かります。
ちなみにFIRE実現までに5~10年というのは個人的な体験から、まあ妥当な年数だと思います。
私の場合は新卒22歳から貯蓄をはじめ、33歳で資産3,000万円まで行ったので大体10年です。
新卒ですぐに資産運用をしようとしても、元手が小さいので大きな成果が出ません。
しかし3年も経てば貯蓄も少しずつ増えて資産が増えるペースも早くなるため、やろうと考えてからなら大体10年あれば資産3,000万円を築くことは可能かと思います。
さて、資産がいくらあればFIREができるのかという問いは調査の結果、3,000万円未満でFIREしている人がFIRE達成者の内約3人に1人だったことから、3,000万円の資産でFIREできることが分かったと思います。
個人的にはこれは意外な結果でした。
FIREには年間生活費の25倍の資産が必要というのがFIRE研究で示されていたことなので、最低でも7,500万円は必要なものと思っていました。
しかし調査の結果、7,000万円以上でFIREしている人はわずか6.4%でした。
そんなにして仕事を辞めたいか!辞めたいさ!
どのように資産を貯めたか
FIREを達成した方々はどのように資産を貯めたのでしょうか。
その調査結果が下の表となります。



引用:【ウェブクルー、FIREに関する調査を実施】FIRE実現のために選んだ資産運用方法TOP3は「株式投資(53.1%)」「投資信託(39.8%)」「不動産投資(29.5%)」|株式会社ウェブクルー
複数回答可能ですが、半数以上の人が株式投資や投資信託で資産形成をしていることが分かります。
預貯金が14.9%となっていますが、これは元手を作る際のものが含まれているのでしょう。
ちなみに私の場合は1,000万円までは貯金とインデックスファンド投資信託で作りました。
そこから2,000万円までは主に投資信託やETF、3,000万円までは個別株の取引きを行って資産形成しています。
元手の作り方は下の記事をご覧ください。



また証券口座についても各種比較紹介していますので、こちらもご覧いただけると幸いです。



3,000万円FIREの生活はどのようなものか
では3,000万円でFIREしている人は、どのような生活をしているのでしょうか。
生活には収入と支出があります。それぞれのモデルケースを考えてみましょう。
収入面
資産から収入を得る方法としては上で述べた通り、「運用益を取り崩す」方法と「配当金を得る」方法があります。
このうち「運用益を取り崩す」方法は、株式市場が好調な時は5%を超える利益を期待することができるため入金力が上がりますが、逆に市場が下落傾向だと元手である3,000万円を取り崩すということにもなりかねません。
その点で収入が不安定になりがちです。
また常に市場の様子を見ていなければならないため、精神衛生上もよろしくないです。
このような理由からも、今回は安定高配当株の配当金で資産を運用した場合を考えていきます。
目指すのは利回り5%です。それ以上の利回りを求めるのはちと厳しいです。
利回り5%で、安全のために20銘柄でポートフォリオを組んでみました。
それが下の表です。なお、採用銘柄はすべて当サイトで調べた安定高配当銘柄です。



約3,000万円の資産を150万円ずつ20銘柄に投資し、153万円の配当金を年間に得ることができることが分かります。
利回りは5.1%なので、もう少し利回りが低い銘柄を入れても大丈夫です。
ただし年間150万円の配当金が全額手元に入るわけではありません。
配当金には約20%の税金がかかるため、実際に手元に入る金額は年間120万円、月ベースに直すと10万円となります。
なお、配当金にかかる税金については確定申告で幾らか取り戻すことが可能な場合があるためもう少し収入が増える可能性があります。
詳しくは下記記事をご覧ください。



さて、シミュレーションの結果3,000万円の資産を使って、月間で10万円の不労所得を得ることができるとわかりました。
支出面
では月に10万円の収入で家賃含め生活することができるのでしょうか。
2ちゃんねる創設者のひろゆき氏の著書では、「月5万円あれば生活できる」と書いてあるので可能でしょう!
ひろゆきでは参考にならない場合、下の図をご覧ください。
こちらは投資家のぽんちよ氏のYouTube動画から引用した生活費の図になります。



うん、月5万円で生活できているね!(55,887円)
ではなくて、これは住宅にかかる費用が社宅で7,000円と破格だったことが理由です。
ただし、地方都市や東京多摩地区ならば家賃5万円程度の住居は探せばありますので、一応工夫次第で支出を10万円に収めることが可能であるとわかりました。
それでも節約生活をすることは避けられませんがね。
投資家ぽんちよ氏のYouTube動画は下からご覧ください。勉強させてもらいました。
結論
今回の調査で、資産3,000万円以下でFIREを達成している人がFIRE達成者の1/3にのぼることや、資産3,000万円からの不労所得でも暮らしていくことができることが分かりました。
ただし上で見た通り、大分キツキツな生活をすることになるので節約生活を送ることは必須となるでしょう。
貯金をすることも難しいと思います。
また家族ができた場合、パートナーが稼いでくれれば問題ありませんが、月10万円の収入では生活が難しいかと思われます。
当然、子供も無理でしょう。
これらの解決策として、週に5日の会社員生活をするのではなく、週に3日のアルバイトを行ったり、フリーランスとしてWebライターなどの仕事を在宅で行い、収入の足しにすることが挙げられます。
いわゆる「サイドFIRE」というものです。
不労所得で月10万円と、軽めの勤労所得で月15万円ならば平均並みの生活を送ることができると思います。
資産3,000万円の生活はギリギリのものではありますが、生きていけるだけの生活費であることには変わりありません。
例えば精神疾患に近い状態で会社を辞めたい時に、資産3,000万円あれば一時的に会社を辞めて生活することも可能です。
資産3,000万円あれば人生において、ある程度の安心を得られることに違いはないでしょう。