日本の銀行は3メガバンク(三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行)とゆうちょ銀行が規模が大きく有名ですが、知名度が無くても利便性が高い銀行や預金金利が高くて資産運用に適した銀行が存在します。今回はそんな銀行の中からUI銀行を紹介します。
〇銀行概要
UI銀行は東京の地方銀行であるきらぼし銀行の持ち株会社、東京きらぼしフィナンシャルグループが設立したスマホ専用銀行で、2022年1月に業務を開始しました。
きらぼし銀行は旧東京都民銀行、八千代銀行、新銀行東京が合併して誕生した銀行で、1都3県に店舗を保有しています。
UI銀行の特徴は国内トップクラスの預金金利の高さと、きらぼし銀行の店舗網を活かした相談体制、キャッシュカード不要でスマホのみで取引ができるところにあります。
手軽さと、いざというときのサポート体制を兼ね揃えた銀行であるのも利点ですが、一番の利点は預金金利にあると考えております。
後述しますが、ぜひ他行の金利と比べてみてください。

〇円定期預金金利
定期預金金利の比較は以下の通りです。



2024年9月現在
定期預金金利はものすごく良いです。キャンペーンでもないのに1年定期0.25%は他行ではなかなか望めません。
3年定期もSBI新生銀行と同水準の0.35%と高めです。
5年定期になると金利が下がるので、定期預金として利用するなら3年以下にしたいところです。
尚、定期預金はUI銀行も含め一定期間キャンペーンで金利を高くすることがありますので、最新の金利は銀行のホームページを確認してください。
〇円普通預金金利
年0.1%
普通預金金利もメガバンクやゆうちょ銀行と比較して高めです。
UI銀行はネット証券と提携してはいませんが、ネット証券提携銀行では楽天銀行・楽天証券の提携時金利と同水準になります。
尚、UI銀行は「UIプラス」というステージを設けていて、預金残高に応じてサービスを受けられますが、普通預金・定期預金ともに金利上昇のサービスは行っておりません。
〇振込手数料
・UI銀行宛 無料
・きらぼし銀行本支店宛 無料
・他行宛 ステージにより月2回~20回まで無料
UI銀行と親会社のきらぼし銀行への振込手数料は無料です。
他行宛の振込は「UIプラス」のステージによって変わります。
最低ランクのステージ1では月2回まで無料です。
三菱UFJ銀行は月1回、三井住友銀行は月3回まで無料ですから、頻繁に振込をする方でない限りはステージ1の月2回無料で十分かと思います。
〇提携ATM
提携ATMでの出金・入金手数料は下記の通りです。



ATMの出金手数料にも「UIプラス」のステージ制が適用されており、最低ランクのステージ1で月1回無料となります。
きらぼし銀行の口座を保有している場合もしくは総預金の1ヶ月平均残高が10万円以上の場合はステージ2となり、月3回まで無料になります。
最高ランクのステージ5では月20回まで無料です。
それよりも問題なことは、利用可能なATMが少ないことです。
きらぼし銀行のATM以外にはセブン銀行のATMしか利用できません。
きらぼし銀行は東京の地銀のため、店舗やATMは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県にしか存在しません。
店舗数も決して多くはないので、現金利用者が普段使いの銀行として使うには不便に思うことがあるかもしれません。
但しUI銀行は割と新しい銀行のため、今後提携ATMが増えることは十分考えられます。
〇銀行の安全性
UI銀行は2022年1月に開業した割と新しい銀行で、UI銀行自体には格付けがされておりません。
そのため親会社のきらぼし銀行の格付けを参考にしますと、JCRの格付けでは「安定的」とされております。
またきらぼし銀行の自己資本比率は8.24%、きらぼし銀行の自己資本比率は8.23%となっております。
他の銀行ではみずほ銀行が9.5%、あおぞら銀行が7.4%、住信SBIネット銀行が7.64%なので、メガバンクよりは低いですが心配する程ではないことが伺えます。
〇総括
UI銀行はスマホ専用銀行で、キャッシュカードすら不要でスマホのみで取引が完結する銀行です。
そう言うと新しすぎて怪しく感じてしまいますが、親会社は関東の地銀では上位に位置するきらぼし銀行で、銀行の安全性は担保されております。
またUI銀行に関する問い合わせもきらぼし銀行の店舗でできるので、いざというときにも安心です。
UI銀行の一番のオススメポイントはその金利の高さで、他行よりも高めに設定されております。
当然元本保証のため、リスクを一切取りたくない方にはピッタリな銀行です。
その一方で、設立してまだ新しい銀行ということもあってか、利用可能なATMの数が少なく、現金を普段使いする方がメインバンクとして利用するには少々不便に感じるかもしれません。その点は今後の改善に期待です。
但しUI銀行は「UIプラス」という、預金残高に応じてステージが変わる制度を導入しており、ステージによってATM使用料無料回数や他行宛振込手数料無料の回数が増える仕組みとなっております。
メインバンクとして使うには現在のところ少々心許ないですが、元本保証の預金をメインに資産運用をするために利用する分には、その高い金利と「UIプラス」によって得られる無料サービスによって十分なパフォーマンスを得ることができる銀行です。