当ブログでは資産運用のことを中心に、株・投資信託・預金(銀行)などについての情報を発信しています。
資産を「作る」「増やす」「得る」ことに特化した内容になっていると自負しております。
しかしその一方で、保険や不動産などについての情報はほとんど発信しておりません。
そのため個々人の状況に合わせた総合的な資金計画を立てるには当ブログだけでは不足です。
ライフプランニングという広い枠組みで資金計画を考えるには、当ブログの情報に加えて国や地方自治体等の公的制度、保険、税金、不動産といった幅広い情報が必要となってきます。
ご自身で勉強したり計算したりできる方は良いのですが、上で述べた通り幅広い知識を得る必要があるので中々大変です。
余談ですが筆者は会社で宅建の勉強を無理強いされたことで、不動産に関する知識にアレルギーがあります。
これを解決する方法の一つとして、専門家に相談するという方法が存在します。
その専門家というのはファイナンシャルプランナー、略称FPと呼ばれる人たちです。
今回はFPへの相談を利用することについて、考えていきたいと思います。
そもそもファイナンシャルプランナー(FP)って何?
ファイナンシャルプランナー検定試験を行っている日本FP協会のHPによると、
結婚する、家を建てる、子供を留学させる、老後は海外で過ごす…など、わたしたちの将来の夢や目標をかなえるためには、まず、実現までの計画をしっかり立てることが大切です。この人生設計が「ライフプラン」です。
そして、わたしたちの夢や目標に対して、総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法が「ファイナンシャル・プランニング」です。これらの計画を立てるためには、金融、税制、不動産、住宅ローン、生命保険、年金制度などの幅広い知識が必要になります。これらの知識を備え、わたしたちの夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートするパートナー、いわば、「家計のホームドクター®」のような存在がファイナンシャル・プランナー(FP)です。
引用:FPとは | 日本FP協会
要するにFPとは個々人の状況に合わせて総合的に金銭面での人生設計を手助けしてくれる存在ということです。
ちなみにFPは国家資格として存在するFP技能士(1~3級)と、NPO法人である日本FP協会が認定するAFP及びCFPが存在しています。
中でもCFPは世界でも通用する資格で、その分難関資格となっています。
AFP・CFP取得者は特別な研修を受けた上、常に最新の情報を得られるような体制に組み込まれています。
また2年に一度の資格更新が求められております。
FPに相談するメリット
・総合的な視点から金銭面の人生設計を提案してもらえる
これが一番のメリットになります。
FPは補助金などの公的制度から保険、金融商品、税金、不動産、さらには相続などの制度に精通している専門家なので、広い視点からの提案を受けることができます。
・個々人に合わせたプランニングをしてくれる
大体のFPは1対1(顧客側はご夫婦での相談でもOK)の相談になりますので、個々人の状況に合わせた設計を行ってくれます。
・お金に関する疑問に回答してもらえる
FPはライフプランニングを一方的に決める専門家ではなく、こちらの必要に応じてお金の制度や仕組み等に関する疑問に対して答えを教えてくれる先生でもあります。
FPに相談するデメリット
・相談するのが面倒くさい
はい、私です。予約して店に行ってという過程が面倒なのです。
加えてコミュ障には人と話すのがそれだけで疲れる…。というのがデメリットです。私だけ?
ただ最近では店舗での対面相談だけでなく、相談者自宅での相談やオンライン相談ができるFPも存在します。
また基本的にはFPの方はプロとして親切に対応してくれます。
・FPによって得意不得意の分野がある
これは税理士などの専門職にも言えることですが、保険分野には凄く詳しくても不動産分野はそこまでは……というFPの方も存在します。これは人間だから仕方ない。
但し、FP試験はライフプランニングに関するすべての分野から出題されるので、どのFPも最低限の知識は持っているものと考えてよいかと思われます。
・FPによって提案する商品に偏りがある場合が存在する
例えば保険会社のセールスレディは大体FPを持っていますが、その場合提案する保険商品は当然自社の商品が優先されます。
FPにも利害関係が存在することは覚えておいた方が良いでしょう。
・提案を断るのが気まずい
FPの提案に対して無碍に断ることが難しい。
「考えてみます」「検討します」と返しても強引に誘われたら面倒くさいというのはデメリットでしょう。
これに関してはFPの評判などを事前に取得して、無理強いをしない人に相談できるようにすることが必要になります。
そして仮に強引に誘われたとしても、「参考にさせていただきます。」「一旦持ち帰ります」の一点張りで頑張りましょう。
何せあなたの人生設計に絡んできているので、他人の言いなりになってはいけません。
FPに相談できる窓口3選
FPと言っても一般の方は保険のセールスレディくらいしか関わりがないものと思われます。
ここでは保険会社が運営していないFPの相談窓口を3つご紹介いたします。
・ガーデン <丁寧な対応が持ち味>
Global8という会社が運営している相談サイトです。
相談は何度でも無料で、自宅やカフェでの相談にも対応しています。
また特徴として割と物腰丁寧なFPの方が多いことが挙げられます。
反面、オンライン面談ができないことと、設立から比較的日が浅く、知名度が低いため不審に思われがちな点がデメリットと言えます。
・保険チャンネル <リクルート運営の安心感>
誰もが知っているであろう大手メディア企業のリクルートが運営する相談窓口です。
「保険」と謳っていますが保険以外のライフプランニングにも対応しています。
こちらもガーデンと同様に相談は何度でも無料で、自宅やカフェの他、オンライン相談にも対応しています。
特徴としては事前にFPのプロフィールが知れる他、好きなFPを選べる点と、大手企業であるリクルートが運営しているという安心感があることでしょう。
反面、メルマガの配信がしつこいという評判が多くありました。



・みんなの生命保険アドバイザー <女性特化と歴史がウリ>
20年近くの歴史と40万件以上の相談実績がある、パワープランニングという会社が運営している相談サイトです。
このサイトはターゲットを20代からの女性に絞っており、結婚や出産など家計に変化が起きるタイミングの方が多く利用している窓口になっています。
またFPからの勧誘圧力を徹底的に排除できる仕組みを整えており、そのため顧客満足度は95%以上と非常に高くなっております。
尚、相談料は何度でも無料です。
欠点としては、オンライン相談が無いことと、やや保険寄りの提案が多い印象がある点です。
保険に関する私見
ここではFPの提案分野における保険、特に生命保険について筆者の私見を述べたいと思います。
結論から申し上げると、生命保険の類はある程度の資産を持っていれば不要という見解です。
保険に関して筆者は下記の様に考えています。
①保険会社は資産運用の代行業
保険金(保険で貰うお金)はどのようにして作られるかというと、加入者から集める「保険料」と、保険会社がその保険料を集めて運用する「運用益」によって作られます。
そして加入者が支払う保険料は「純保険料」と呼ばれる保険金の原資の部分と「付加保険料」と呼ばれる保険会社の事業費の合算で決められます。
よって保険に入るということは、保険会社が事業を運営するための手数料を支払って保険金を作ってもらうのと同義だと考えています。
また保険料を支払うということは、支払った保険料は全て用途が自動的に決まってしまうということで資金の流動性(自由に使える度合い)の面でもよろしくありません。
②保険は「不幸のギャンブル」
保険金は傷病や死亡時、事故を起こしたときなど、不幸が起きた時にのみ支払われます。
逆に言えば、そのような不幸が起きなければ支払った保険料は一円も返ってきませんので「不幸のギャンブル」と呼ばれることがあるのです。
余談ですが、満期に保険料が返ってくる類の保険は元々保険料が高く、返ってくる金額と運用益を比較すると損をする場合がありますので注意です。
③保険は手に負えない損害に備えるためのもの
例えば自動車事故で人を死なせた場合、慰謝料として数千万円単位の資金を支払う必要が出てきます。
このような場合は個人で対応することはほぼ不可能なため、損害保険に加入することには筆者は意義を感じています。
また死亡保険や学資保険についても、家族がいて子供が小さい場合は公的保険の遺族年金等では不足と感じる場合があるため、内容を吟味したうえで加入する価値はあると思います。
一方がん保険の場合は、がんの治療には100万円程度の貯金があれば、公的制度である高額医療費制度の活用で十分対応可能なため、不要と考えます。
実際に2024年に逝去された、がん保険不要論者である経済評論家の山崎元さんはご自身ががんになりましたが、医療費として支払ったお金は約235万円でした。
しかしその内160万円は山崎さんが高価な病室を選んだことによるもので、実際は120万円程度で収まると見込めるとのこと。
また入院費用の160万円についても、後に「一部負担還元金現金給付」として健康保険組合がほとんどを還元してくれたため、実負担額は14万円程度で済んだらしいです。
どうしても必要となる実際の治療費は約75万円でしたが、山崎さんは東京証券業健康保険組合の加入者だったため補填があり、実際の治療費は約14万円とのことでした。
まとめると治療費75万円に入院費14万円で約90万円が、山崎さんががんの治療に必要だった実際の額となります。
尚、生命保険会社の保険金に関しても後日払いになるため、キャッシュでの支払いとして250万円程度は貯金が欲しいところです。
また就労不能保険についても、社会保険である傷病手当金や労災保険、さらには会社勤めならば企業制度での保障も存在するため、必ずしも必要とは言えません。
但し金額は実際の就労時よりも少なくなるため、その分の補填として掛け捨ての就労不能保険に加入することの意義は否定しません。
以上のことから、筆者としては下記のスタンスで保険に臨むことが良いかと考えます。
・原則として自分で貯蓄や資産運用をして備える。保険会社に手数料を支払ってお金を無駄にしない
・基本的に保険には頼らない。自分がどうしても手に負えない事態にだけ保険で備えれば良い
・日本の公的年金は非常に充実しているので、保険を検討する前にまずはFPからその説明を受けること
決して「安心のため」と思考停止するのではなく、実際に事が起こった場合に幾ら必要なのか、公的制度を利用したとしても、それは自分ではどうしても手に負えない金額なのか、そのようなことをきちんと考えて保険を検討するのが良いと思います。
保険会社だって慈善団体ではないので、コストをかけるところにはきちんとかけてきます。
まとめ
最初に述べたように、当ブログでは株式や投資信託などを中心とした、FPの分野で言えば金融資産運用の分野に特化した内容を発信しております。
個別銘柄の分析や資産運用に関する各種制度などについて紹介している一方、ライフプランニングにおける他の分野を総合的に網羅するものではありません。
そのためご自身の人生設計に合わせて総合的なアドバイスを得たい場合はFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することは一つの選択肢だと思います。
但し、当ブログにしてもFPの相談結果にしてもそうですが、それらの情報や相談を受けて実際に行動し、責任を取るのはだれでもないご自身です。
「FPに相談した結果、これがいいと言っていたから」ではなく、最終的には自分で判断して、自分で人生のかじ取りをするようにしてください。
他人に自分の人生の舵を任せてはいけません。
最後に、資産運用については当ブログの情報もご参考にしていただければ幸いです。
銀行や証券会社、銘柄などの情報を取り揃えてございます。