民間初の合成ゴム会社 日本ゼオンの連続増配株シミュレーション 

・日本初の合成ゴム製造会社で、古河グループの大手化学メーカー

・配当は14年連続増配中かつDOE採用の安定配当

・直近はともかく、利回りは3%程度と、高配当株とは言いにくい

目次

〇会社概要と配当基準日

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日本ゼオンは古河グループの合成ゴム大手化学メーカーです。売上の約半分はエラストマー素材、つまり合成ゴム素材で、売上全体における海外比率は約6割になります。合成ゴム以外にも、香料や電子材料、樹脂フィルムや医薬品等、高機能材料などの取扱も行っております。


日本ゼオンは1950年に古河電気工業、横浜ゴム、日本軽金属の3社の資本によって設立され、米国の化学メーカーより技術提携を受けて塩化ビニル樹脂の製造を事業として創業しました。また1959年には同米国社の技術指導により、日本で初めて民間企業として合成ゴムの製造を開始しました。1989年には米国企業の特殊ゴム事業を買収し、「特殊ゴムのゼオン」として世界トップメーカーとしての地位を確立します。その後は多方面の素材にも事業を開拓して現在に至ります。連続増配年数は14年です。

配当基準日:3月末

〇配当方針

2024年11月に配当方針を変更し、配当目安として「DOE4%以上とする」ことになりました。

〇時価総額と自己資本比率

時価総額:2,979億円

自己資本比率:65.1%


自己資本比率は比較的高めになっています。



〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



増配平均額は1~2円が多くてしょっぱいです。配当性向も20%以下の年が多いです。但し直近では増配額が増えています。2023年は利益が芳しくありませんでしたが、大きく増配してくれました。

2025年3月期の配当は70円と大幅増になり、利回りも4%後半となりましたが、これはDOEを配当方針に採用したことの影響と思われますので同じペースでの増配は期待できないでしょう。


〇比較込20年シミュレーション

投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。





現時点では5%安定配当株と同程度の累計配当金額に収まる見込みです。配当金の増配額が上がればまた変わった結果が出るでしょう。

〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション




株価1,275円で6%安定配当株と同じ累計配当金額になります。

〇過去10年間のチャート


SBI証券より引用



割と上下幅が大きいチャートをしています。直近2022年からは1,200円と1,400円の間をさまよっていますが、安い時は1,000円くらいで買えそうです。ただ移動平均線を見ている感じだと、しばらくは1,200円から、大きくても1,600円くらいを行ったり来たりしそうな感じがします。



〇総括

日本ゼオンは足尾銅山から発足した古河グループの一員で、合成ゴム大手の化学メーカーです。売上の半分以上は合成ゴムのエラストマー事業が稼いでいますが、その他の素材にも事業を展開しています。今後は新規事業を重視する方針で、医療・ライフサイエンスや情報通信分野などを中心に事業投資を加速させる予定です。

配当は14年連続増配中で、2025年3月期も増配予定なので15年連続増配予定です。企業側も増配が続いていることは意識しています。同社は今まで配当性向20%以下の年が多く、増配額も最小限という感じでした。しかし最近では配当性向30%以上の目標を掲げ、さらにDOE4%以上に配当方針を変更したので増配額も増え始めています。今回のシミュレーションでは増配額が小さい時期から平均を取っているため増配額2円程度で計算しているので、20年累計配当金の金額は低めに出ていますがそれでも5%安定配当株と同等の配当金を受け取れる計算です。増配平均額が4円まで増えると6%安定配当株にも匹敵する累計配当金額になるので、増配金額が上がることを見越して保有しても良い銘柄だと思います。


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