半導体材料ウエハーシェア世界No.1 信越化学工業の安定高配当株診断

・塩化ビニルとシリコンウエハーで世界シェア1位、利益率の高い日本最大手クラスの化学メーカー

・配当金は10年以上減配無く、利益も安定

・利回りは低く、株高もあるため配当金狙いの保有には向かない

目次

〇会社概要と配当基準日


信越化学工業は塩化ビニルや半導体用シリコンウエハーで世界シェア1位を誇る、日本で1、2を争う大手化学メーカーです。利益率が高いことや世界シェアを占める製品を有することが特徴で、日経新聞が行う「経営者が選ぶ有望銘柄」で国内企業唯一2009年より14年連続でTop3にランクインしています。シリコンウエハーやフォトマスクブランクスで世界シェア首位のため、半導体の需要が旺盛な現在においては有望銘柄とされています。

創業は1926年、信越窒素肥料として発足しました。1940年に現社名に変更し、1949年には東証に上場します。1953年にシリコンの工業生産を開始、1956年に塩化ビニル樹脂の製造を開始、以降様々な製品を開発していきます。歴史的にも日本を代表する化学メーカーと言ってよいでしょう。



配当は10年以上減配がなく安定しています。収益も安定していて無理な配当もしていません。その意味では安定的な銘柄なのですが、有望銘柄故か利回りが低いことがネックになっています。割と人気の銘柄ではありますが、過去も含め高配当には該当しない銘柄と言えます。


配当基準日:3月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:5,949円

 配当額:100円

 利回り:1.68%

後に見ますが配当性向が低いわけではありません。株価が高いのです。それゆえに利回りが3%を上回ることはほぼないです。


〇配当方針


配当性向40%を目指して安定的な配当に努めるとしています。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)



2023年3月期の配当性向は28.8%、2024年3月期の配当性向は38.6%と決して低い水準ではありません。減配はなく安定して配当金が出されています。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:11兆8,380億円

 自己資本比率:82.7%

時価総額は化学メーカーで売上規模最大の三菱ケミカルグループをも抜いて化学メーカー首位です。また自己資本比率も非常に高いです。

 

〇過去10年間のチャート


SBI証券より引用


AIブームによる半導体関連銘柄の高騰の恩恵を受け、株価は上昇傾向にあります。AI云々を抜いても10年間で概ね上昇傾向にあります。



〇総括

信越化学工業は時価総額で日本の化学メーカー最大を誇る、日本を代表する化学メーカーです。特に塩化ビニルやシリコンウエハーで世界シェア1位を誇っていることは有名です。銘柄としても人気があり、最近ではAIブームに伴う半導体関連株の上昇の恩恵を受けて株価は上昇傾向です。


配当方針は安定的で10年以上減配はありません。利益も毎年安定して上げています。配当性向も悪くありません。ただ株価が毎年高いため、利回りが低いことが難点です。安定配当株であることは否定しませんし、企業の安定性もあって人気の銘柄ではありますが、高配当株とは言えません。連続増配株として捉えるにも難しいと思います。

安定高配当株として長期保有する目的で買うよりも、塩化ビニルや半導体関連の需要を予想して売却益狙いで売買をする方が適しているように思います。

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