株主優待では重機のミニチュア 小松製作所(コマツ)の安定高配当株分析

・「世界のKOMATSU」とも呼ばれる、建設機械世界2位の国内最大手建機メーカー

・配当金は業績連動の側面強く、安定感はない

・利回りは3%程度と、高配当株とは言いにくい

目次

〇会社概要と配当基準日

キャリエモン

小松製作所は「世界のKOMATSU」で親しまれる日本最大手の建設機械メーカーです。尚、コマツの名は人名ではなく創業の地である石川県小松市から取ってきています。建機世界シェアでは米国キャタピラー25%に次ぐぶっちぎりの2位で11%、1位からも3位の日立建機4%からも離れています。海外売上高比率は約80%。日本で初めてトラクターやブルドーザーを国産化した企業で、国内シェアはブルドーザーで60%、油圧ショベルで30%と共に首位となっています。国内防衛産業にも携わっており、装甲車や弾薬の製造を行っていましたが、装甲車については2019年に製造撤退しました。



配当は利益次第です。2019年3月期までは増配傾向にありましたが、以後利益が減ったことを受けて減配に転じています。赤字はここ10年以上ありませんが、利益の上下に配当金額が連動しているので、安定感という面では欠けていると言えます。


配当基準日:3月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:4,021円

 配当額:167円

 利回り:4.15%

3%後半の利回りです。タイミング次第で4%くらいまでは狙えそうですが、それ以上はコロナ禍などの暴落時でないと難しいと思います。


〇配当方針


連結配当性向を40%以上とする方針をとっています。尚、同社は株主優待を実施しています。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)



赤字はありませんが2020年3月期のコロナ禍辺りから2年連続で減配し、2019年3月期に対して2021年3月期は配当金が半分になる大減配となりました。最近は業績好調故か、再び配当金額が高くなっています。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:4兆3,772億円

 自己資本比率:53.8%

時価総額はさすがの高さです。自己資本比率も50%を超えていて企業として安定していることが伺えます。

 

〇過去10年間のチャート


SBI証券より引用


2018年からコロナ禍に向けて下落基調でしたが、そこから上昇し、2022年からは右肩上がりの上昇基調となっています。ただ2024年8月の暴落からは完全には立ち直っていませんね。



〇総括

小松製作所は建設機械世界2位の、日本が誇る世界レベルの大企業です。歴史的にもブルドーザー等の国産化に初めて成功した企業であり、1917年から現在まで存在する老舗企業でもあります。今後については他社と同様環境に配慮した事業への取り組みを掲げています。また小規模ながら半導体製造装置事業も行っています。


配当方針は配当性向40%以上としており。下限を定めていません。また過去10年は赤字になっていませんが、利益減少に伴って2回の減配を行っています。利回りは3%後半を狙えるので増配が続くようならば保有価値はあると思いますが、過去の実績から考えると配当の安定感には欠けていると思われます。

2024年度で中期計画が一旦終了するため、昨今の株主還元への世間的な意識の上昇から、次の中期計画でDOEなど安定配当のための施策を行う可能性は否定できません。ただ現時点においては配当利回りは悪くはないけどもう一つといった印象で、かつ安定性にも疑問符が付くため、安定高配当株とは言えないという判断です。

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