〇3行で銘柄解説
・野村證券系の大手不動産デベロッパー
・連続増配年数13年予定の連続増配株
・利回りは4%ちょいで悪くなく、連続増配による配当金に期待が持てる銘柄
〇会社概要と配当基準日
野村不動産ホールディングスは不動産業界5位の総合デベロッパーで、野村證券を擁する野村ホールディングスの関連会社です。傘下の中心企業である野村不動産の創業は1957年で、野村證券の資産管理会社として設立されました。中心となる野村不動産の他に不動産仲介やビル管理の子会社も保有しております。
主要な開発エリアは東京の芝浦や日本橋地区で、事業の主力は「プラウド」ブランドで有名なマンション開発、分譲で、マンションの販売戸数では国内首位級です。ほかにも高級コンパクト路線で他社と差別化したオフィスビルの「PMO」をはじめとした都市開発や資産運用、運営管理、海外事業なども行っています。今後はDXやサステナビリティにも注力する方針を掲げています。
連続増配年数は12年で、2025年3月期も増配予定なので13年連続増配を見込んでおります。利回りは4.5%を切るくらいでまあまあといった感じ。ただし配当金の増配額が直近で上がっているので、長期保有には向いている銘柄です。
配当基準日:3月末
〇配当方針
2028年までに配当性向を40%まで引き上げる方針を出しています。連続配当の年数は現在12年で、2025年3月期の配当金は増配の165円の予定なので、13年連続増配予定です。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:7,510億円
自己資本比率:30.7%
不動産(非住宅)時価総額順位では52社中5位です。野村不動産HDの上には財閥系不動産3社と東急不動産ホールディングスが存在します。
〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



増配額の平均が10円と高めです。また10年以上連続で配当がEPSの金額範囲内に収まっており、EPSの数値も安定しています。表を見ると現在の配当性向は30%程度なので、中期計画の配当性向40%を実現しようとするなら今後も増配は続きそうです。利回りは3%ちょいとまずまずですが、2025年は165円の配当を見込んでいるため4%ちょいまで上がります。
〇比較込20年シミュレーション
投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。



現状の株価では6%安定配当株以上の20年累計配当利回りになります。ちなみに2025年3月期の配当が予定通り165円だった場合の20年累計配当金は下記のように1,547千円まで上がります。



〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション



株価4,250円で6%配当株と同等程度です。配当性向40%化を受けて増配額の平均が上がれば、もう少し株価が上がっても大丈夫そうです。
〇過去10年間のチャート



※SBI証券より引用
2020年のコロナ禍以降は上昇傾向とはいえ、けっこうチャートがジグザグしていますね。 直近では4,500円辺りが最高値で、3,800~4,000円くらいをうろうろしています。
〇総括
野村不動産ホールディングスは野村證券を中心とした野村ホールディングスの関連会社である総合不動産会社です。業界順位としては5位につけており、この上位には財閥系総合不動産会社3社と東急不動産HD、下位には安田(芙蓉)グループの不動産会社である東京建物や、六本木ヒルズ等で有名な森ビルが存在しているため、業界内で一定の地位は築いています。事業は住宅系、つまりマンションがほぼ半分で、オフィスビルなどの都市開発がそれに続きます。
10年間のEPSを見ると安定しており、それに伴ってか配当金の額も安定して増えています。今までは配当性向が大体30%程度でしたが、中期計画で40%まで引き上げることを公表しているため、安定したEPSも踏まえて考えると今後も増配は続きそうです。株価も割と変動が大きいので、安い時に仕込んで長期保有したい連続増配株となっています。


