〇3行で銘柄解説
・通信事業者2位の安定ディフェンシブ銘柄
・20年以上連続増配を続けている長期増配銘柄
・利回りが低く、長期保有でも配当金への期待は薄そう
〇会社概要と配当基準日
KDDIはNTTに次いで通信業界2位の会社です。携帯電話ではauブランドを使用しています。元々はDDI(第二電電)、KDD、IDOの3社が2000年に合併した会社です。KDDIの基となったDDIは第二電電の名前の通り、もとは電電公社から分離した会社でした。そのためNTTに次ぐ通信インフラ設備を保有しています。第二電電の創業者は京セラの稲盛和夫氏ということもあってか、主要株主には京セラが名を連ねております。KDDIは携帯・通信事業のほかに、銀行事業、新電力事業、保険事業、ネット証券事業にも進出し、事業の多角化を図っております。
配当は2002年から21期連続増配中の長期増配銘柄となっています。配当金の増配額平均や企業の安定性も問題ありませんが、寡占業界の優良銘柄ということもあってか、株価が高くなりやすく、その分利回りが低いです。そのため長期で保有してもあまり旨味がなさそうな銘柄という印象があります。
配当基準日:3月末
〇配当方針
「KDDIは、2002年度より21期連続の増配を実現しています。「配当性向40%超」と「利益成長に伴うEPS(注1)成長」の相乗効果により、今後も、持続的な増配を目指します。」とホームページ内で記載をしています。配当性向もさることながら、「21期連続増配」という言葉から、連続増配に対する思い入れを感じることができます。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:10.6兆円
自己資本比率:40.2%
時価総額10兆円越えの日本を代表する大企業です。自己資本比率も高めですね。
〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



増配額の平均が9円と高めです。にもかかわらず10年以上連続でEPSの範囲内に収まっています。無理して配当している訳でもないので、突然配当が切れる心配はなさそうです。
ただ利回りが3%を切っており、利回りが高いときでも3%台に留まることが多いのが気になります。
〇比較込20年シミュレーション
投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。



20年累計配当金額では5%安定配当株を下回ります。利回りの低さが一因となっています。
〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション



株価3,900円で6%配当株に追いつきます。現在の株価から1,000円下げなければなりません。通信株はディフェンシブ銘柄で株価が下がりにくいので、少々きついかもしれません。
〇過去10年間のチャート



SBI証券より引用
ほぼ順調に右肩上がりです。配当金狙いだと利回りが下がるのでどうかと思いますが、長期保有で売却益を狙うと考えるならば信頼できる銘柄かもしれません。このサイトの目的には外れますけどね。
〇総括
KDDIは通信事業2位の会社で、時価総額も10兆円を超える日本を代表する銘柄です。企業としても安定していますし、通信事業というインフラを扱っていることもあって今後も安定した利益を得られるであろうと思われます。
配当に関しても20年以上増配を続けており、企業側もそれを表に出していることから今後も増配記録は続くものと考えます。唯一の懸念点は利回りで、優良企業故3%近辺は仕方がないとはいえ低めだという印象がぬぐえません。現状の株価で考えると利回り5%を安定して配当してくれる株を20年保有していた方が得になるため、特別な理由が無い限りはそちらをおすすめします。





