昔は火薬、今は農薬・医薬など薬剤に強み 日本化薬の安定高配当株診断

・トップシェア製品を多く持つ、火薬発祥の中堅化学メーカー

・15年近く減配のない、安定配当銘柄

・利回りは3.5%程度とちょっと物足りない水準

目次

〇会社概要と配当基準日

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日本化薬は化学メーカーの一つで、1916年に火薬事業から発足し、日本で初めてダイナマイトを製造した企業です。現在は火薬に限らず様々な製品を取り扱っており、自動車関連等のモビリティ&イメージング事業領域や半導体封止材等のファインケミカルズ事業領域、医薬・農業分野のライフサイエンス事業領域を擁しています。中でも半導体封止用エポキシ樹脂では世界シェア1位、自動車安全部品であるマイクロガスジェネレータは国内シェア1位を誇っています。海外12か国に展開しており、海外売上高比率は50%超となっています。



配当は15年近く減配がない安定配当を行っています。事業利益も安定しており、ここ15年赤字はありません。利回りは現在3.5%程度で、毎年大体この程度に収まっています。安定配当株ではありますが、利回りはもう少しといったところです。


配当基準日:3月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:1,255円

 配当額:45円

 利回り:3.58%

上で述べたように、利回りは3.5%程度で、4%台まで上がることはあまりありません。


〇配当方針


配当性向40%以上を目標としています。実際毎年そのくらいですが、利益が十分に出ていない年でも配当性向にこだわらずに減配せず配当を行っています。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)



毎年安定して利益を上げており、配当も安定しています。但し増配はあまり行っていないようです。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:2,141億円

 自己資本比率:74.2%

時価総額は中堅規模といったところです。自己資本比率は高めです。

 

〇過去10年間のチャート


SBI証券より引用


株価の上下が大分激しいように見えます。ここ数年は若干上がりつつあって、1,200~1,400円の間に収まっています。



〇総括

日本化薬は日本で初めてダイナマイトを製造した火薬発祥の化学メーカーで、今では火薬をベースとした事業の他にもファインケミカル等様々な製品を展開しています。また世界シェア1位や国内シェア1位を誇る製品を持つ、技術力のある会社です。中期計画では特定の一分野に特化するのではなく、保有している製品ごとに成長性を考えて各事業バランス良く成長させていく方針を取っています。


配当は非常に安定しています。配当方針では配当性向にしか触れていませんが、15年減配がありません。また利益も毎年安定して上げており、自己資本比率も70%超と非常に高いです。

ただ毎年のEPS(一株当たり純利益)は毎年そこまで変わっておらず、また過去増配したことも少ないことから増配の可能性は低いと思われます。あり得るとすれば、日本触媒のように最近自己資本比率の高い企業が配当性向を数年間100%にすることがあるので、同じく自己資本比率が高い日本化薬でも同じことをするかもしれません。

とはいえ現状では利回り3.5%前後に落ち着いており、高配当というには少し弱いと思われます。安定株ではありますが高配当株とは現状言えないというのが結論です。

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