〇3行で銘柄解説
・インテリア内装材でトップシェアの江戸時代創業専門商社
・11年連続増配で今後も増配の可能性高い
・利回り5%程度と高配当株としても有望
〇会社概要と配当基準日
サンゲツはインテリア・エクステリア商品を取り扱う専門商社で、インテリア内装材ではトップシェアとして知られている企業です。
創業は江戸時代の1849年で表具師の日比弥助が創業した時は山月堂という店名でした。1964年には全国に営業展開し、1970年に社名を現在のサンゲツに変更します。1996年に東証一部上場、2005年からは多くの会社を子会社化します。売上の8割は国内インテリア事業で国内エクステリア事業は5%程度、海外売上高比率は15%程度です。
同社は上場以来40年以上連続黒字経営をしている安定企業です。配当も出していますが減配もしています。但し直近では11年連続で増配しています。自己資本比率も高く、また黒字の金額が極端に少ないときでも増配をしていること、配当方針で増配を目指すと謳っていることから、今後も増配が続くものと思われます。
配当基準日:3月末
〇配当方針
下限130円とした安定的な増配を目指すとしております。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:1,787億円
自己資本比率:62%
時価総額は相応の大きさです。自己資本比率は高めで安定しています。
〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



2014年から14年連続増配中です。2019年~2022年度は配当額がEPS(一株当たり純利益)を上回りましたが、増配を続けています。特に2022年度はギリギリ黒字といった状況にも関らず増配しているので、今後も増配する可能性は高いものと思われます。
〇比較込20年シミュレーション
投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。



8.5%安定配当株と同じ水準の累計配当金が得られる計算です。これは利回りの高さもさることながら、直近の2023年と2024年に35円の大きな増配をしたことが理由に挙げられると思われます。2023年と2024年の増配額を除くと、6%安定配当と同程度の水準になります。



〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション



株価が4,250円程度で、6%安定配当株に20年後配当金累計で並ぶことになります。ただ上でも述べたように、直近の増配額が大きい分を除くと20年配当金累計が6%安定配当株と同程度になるため、現在の株価水準がシミュレーションとしてはより安全な結果になっていると思われます。
〇過去10年間のチャート



SBI証券より引用
一度3,500円の高値を付けましたが、その後の株価は下がり気味です。過去のチャートを見ると、長い間一定の株価で安定する傾向がありそうなので、今後もどこかの株価で落ち着いて、その株価が長期間継続するかもしれません。
〇総括
サンゲツはインテリア業界で最大手クラスの専門商社です。同社は江戸時代創業で、創業から170年以上の老舗です。また上場以来赤字のない安定企業でもあります。
サンゲツは2030年までの長期計画で、現在の内装企業からデザイン力とクリエイティビティを活かしたスペースクリエーション企業への進化を遂げようとしています。そしてその先は、空間を利用した管理サービスの提供などを通じたスペースオペレーションを目指すなど、老舗でありながら常に進化をしていくスタンスを取っています。
配当は11年連続で増配しています。利回りも現在5%前後と高めです。過去に黒字幅が極端に小さくなった時がありましたが、その際も増配をしていたことや、配当方針でも増配への意気込みを示していることから、今後も増配が続くものと思われます。
また仮に赤字になったとしても、自己資本比率が高めのため、ある程度は増配に耐えうるものと考えられます。20年シミュレーションの結果でも6%安定配当株に劣らない配当金累計額を示していることから、長期保有に十分適した、そして報いてくれる銘柄だと判断します。



