〇3行で銘柄解説
・中古住宅再生事業を行う中堅不動産会社
・上場以来減配なしかつ累進配当を採用
・利回りも5%前後と高め
〇会社概要と配当基準日
イーグランドは中古住宅再生事業を主な事業としている中堅不動産業です。主に首都圏の一戸建てやマンションの中古住宅を購入し、リフォーム等により住宅価値を上げたうえで売却するという事業を行っています。物件の販売は自社では行わず、各物件の地元の不動産仲介業者に依頼をすることで広いエリアで物件を取り扱える体制を築いています。またリフォームを行う子会社を保有しています。
同社は1989年に不動産事業を目的に創業し、2013年12月にJASDAQに上場、2017年に東証一部上場を果たし、現在は東証スタンダードに上場しています。
イーグランドは上場以来10年以上減配を行っておりません。また中期計画にて累進配当制を導入することになりましたので、今後も安定して配当を得られる銘柄だと思われます。利益も毎年ほぼ安定して上げており、無理な配当も行っておりません。
配当利回りも5%台で、高いときには6%まで上がることもあります。中古住宅再生事業の単独事業であること、時価総額が低く企業規模が小さいことが若干の不安要素ではありますが、それゆえに配当利回りが高くなっている穴場銘柄とも言えるでしょう。
配当基準日:3月末
〇直近株価と配当額と利回り
株価:1,565円
配当額:82円
利回り:5.23%
利回りは5%を超えていて高いです。現状の株価はやや高めですが、それ以上に配当を出しているためこの利回りが実現しています。
〇配当方針
累進配当を導入しています。また連続増配にも意欲を示しています。
〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)



ほぼ毎年安定した利益を上げており、また配当も無理をしておりません。2024年3月度の配当性向は約40%、一番高かった2019年3月度も約50%です。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:99億円
自己資本比率:41.1%
時価総額は非常に低いです。創業30年以上の企業ですが、小型株に該当します。自己資本比率は及第点でしょう。
〇過去10年間のチャート



SBI証券より引用
600~800円くらいが中心でしたが、ここ3年間で株価が上がり、1,600円前後となっています。これは利益が上がったことが理由と思われます。
〇総括
イーグランドは中古住宅再生事業を行う中堅不動産業です。現在は初めて物件を購入する一次取得者層をメインターゲットとしていますが、今後は富裕層向けのハイグレード市場への進出や、新規事業としてリゾート物件の企画運営・貸別荘運営などを進めていく予定です。
配当は上場以来減配がなく、かつ累進配当を掲げています。11年間の内7回の増配を実施しており、また企業側も中期計画で連続増配を目指すことを公表しています。毎年安定して利益を上げており、毎年の配当性向も高くはないため今後も安定配当が期待できるかと思います。
また利回りも5%以上が期待できる、安定高配当銘柄と言える銘柄です。
懸念点があるとすれば、同社は中古住宅再生事業の実質1事業しか行っていないため、この事業が不調に陥ると会社が傾きかねません。自己資本比率はそれなりにありますが、企業規模が小さいため経営の選択肢も大手よりは多くないでしょう。
ただ逆を言えばそれゆえに投資家にとってはおいしい銘柄とも言えるので、この懸念点さえ許容できればニッチな安定高配当株銘柄として安定した配当を期待できるでしょう。


