〇3行で銘柄解説
・3メガバンクの一角で業界2位、効率性1位
・累進配当採用で業績も安定している安定配当株
・株価は高めで上昇を続けており、利回りは3%中盤と微妙
〇会社概要と配当基準日
三井住友フィナンシャルグループは国内3メガバンクの一角で、傘下に三井住友銀行、三井住友カード、SMBC日興証券などの企業を持つ持ち株会社です。三井御三家(三井住友銀行・三井不動産・三井物産)にも数えられる企業で、2001年に旧三井銀行であるさくら銀行と住友銀行が合併して設立されました。利益効率性は3メガバンクでトップと言われています。最近では傘下の三井住友カードを中心に、個人向けの金融アプリ「Olive」を作成したり、三井住友カードで用いられているVポイントとTポイントを統合したりと、個人向けのサービスに力を入れています。
行風は他のメガバンクに比べると体育会系で、合併時に対等合併とはされたものの住友銀行の方が力が強かったこともあり、経営Top層には旧住友銀行出身者が多くを占めております。
余談ですが就活生の間ではメガバンク3行のことを「赤いの(三菱UFJ)」「緑の(三井住友)」「青いの(みずほ)」と呼んでいます。
配当は安定しており、かつ他の3メガバンクと同様に累進配当を採用しているため減配の可能性は限りなく低いです。但し株価が数年前と比較して2倍以上に高くなっており、利回りが3%台中盤と高配当株と言うにはイマイチな数値となっています。増配の多い銘柄ではありますので持っていても良いですが、その際は他の銘柄も見た上で判断したいものです。
ちなみに同社は2024年10月1日付で1:3の株式分割を行う予定です。記事の数値は分割前のものとなっています。
配当基準日:3月末
〇直近株価と配当額と利回り
株価:8,968円
配当額:330円
利回り:3.67%
ここ最近の日銀の利上げ観測で銀行株の株価が上がっています。ほんの2年前まで株価4,000台で利回り5.5%オーバーだったんですけどね。
〇配当方針
「累進的配当方針および配当性向40%を維持し、ボトムライン収益の成長を通じて増配を実現してまいります」としています。他のメガバンクと同じく累進配当なので、安定した配当が見込めますね。
〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)



ここ10年間赤字はなく、配当もEPSの30~40%ほどに収まっている年が多いです。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:11兆8174億円
自己資本比率:4.7%
自己資本比率は最大手の三菱UFJフィナンシャル・グループと同じです。時価総額もいわゆる「10兆円クラブ」の仲間入りを果たしています。
〇過去10年間のチャート



※SBI証券より引用
ここ2年の株高を喜ぶべきか悲しむべきか…。ご覧の通り2023年から急上昇しています。高配当株として購入するなら4,000円くらいの時を狙っていたかったです。2024年8月初旬の株安でも8,000円の高値でした。
私は一度4,000台、利回り5.5%オーバーの時に保有していましたが、何を血迷ったのか全部売ってしまいました。当時の自分を恨みます。
〇総括
三井住友フィナンシャルグループはメガバンクの一角で、効率経営なら最大手の三菱UFJをも上回ります。総資産額は276兆円におよび、これは日本では2位、世界の金融機関でも13位にランクインするほどの大企業です。銀行ということで著名かつ安定、金持ちの印象があってかは知りませんが、個人投資家の人気も高い銘柄となっています。
ここまでにも書いた様に、累進配当性を採用していて10年間赤字減配のない安定株です。ただ最近の株高を受けて、利回りは3.5%程度まで下がっています。決して悪いとは言いませんが、2年前には5.5%オーバーだったことを考えると、せめて利回り5%くらいになってから買いたい銘柄です。
企業としてはスマホアプリの「Olive」を中心に、Vポイントの拡充やSBI証券との提携など、SBI三井住友経済圏の確立を図るような動きを見せております。今後も「Olive」の機能は拡充するようですし、個人としても使いやすい銀行として認知されていくのではと思います。


