一眼レフやミラーレス、カメラミュージアムも キヤノンの安定高配当株診断

・カメラと複合機でトップシェアの電気機器メーカー

・大幅な減配歴有。ただ配当は安定志向

・株価高めにつきもっと利回りが良い時に狙いたい

目次

〇会社概要と配当基準日


キヤノンはカメラ・複合機・プリンターに絶大な強みを持つ電気機器メーカーです。カメラにおいては一眼レフ・ミラーレスで国内1位、コンパクトカメラでも国内2位の生鮮台数を誇ります。また複合機・プリンター分野においても複合機と商業印刷機で世界シェア1位、インクジェットプリンターやレーザービームプリンターで世界シェア各3位、2位と、日本を代表するレベルの技術とシェアを誇っています。また主力のカメラ・複合機分野以外にも、半導体露光装置や医療機器の分野にも展開しています。海外売上比率は約8割です。

同社は1933年に吉田五郎らが30代の若さで高級カメラ製造を目的に立ち上げた会社が起源となっており、1934年には日本初の35mmフォーカルプレーンシャッターカメラ「KWANON(カノン)」を試作しました。この商品名は創業者の一人である吉田五郎が観音信仰に帰依していたからで、後の「キヤノン(CANON)」の社名の由来となります。戦後米国占領時は高級カメラを生産し、米国進駐将兵の日本土産として重宝されました。1962年にカメラ製造のノウハウを生かして事務機器製造に乗り出し、現在では売上の半分以上は事務機器で占めております。



配当の安定度は普通です。減配なく安定して配当しているわけではなく、2020年度に一度配当金を半額にする減配を行っています。その後はまた減配なく配当を出してはいますが、配当方針も利益に対する配当性向としており下限を定めていないので、極力安定を志向しつつ、業績に左右されるところが大きいように感じます。


配当基準日:12月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:4,345円

 配当額:150円

 利回り:3.45%

利回りは約3.5%と低くはありません。ただ後述のチャートを見ると、もっと株価が安い時に買えないかと思ってしまいます。


〇配当方針


配当性向50%を目途として実施するとしています。実際は配当性向100%以上の年もあり、極力減配しないようにしようという姿勢が伺えます。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)


2019年12月期までは安定して高めでしたが、2020年には配当金が半分に減配となってしまいました。2019年度からEPS(一株当たり純利益)を配当金が上回っていたので経営上仕方がないと判断したのかもしれません。その後は3年連続で20円の増配をしています。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:5兆9,845億円

 自己資本比率:59.7%

時価総額は事務機器部門1位で、6兆円近くの時価総額は日本でも上位です。自己資本比率も高く、企業としては大手の安定したメーカーと言えるでしょう。余談ですが平均年収は832万円(44.1歳)と、就職するには良さそうな企業です。社風や激務度は知りませんが…。

 

〇過去10年間のチャート


SBI証券より引用


基本的には4,500円くらいが天井となっていそうです。2016年中盤と、コロナショックの 2020年には株価が大きく下がっていますが、その後必ず持ち直してきています。



〇総括

キヤノンは戦前に創業したカメラや複合機を主力とする電気機器メーカーで、令和となった現在でもカメラ・複合機・プリンターで国内最大手企業かつ世界でも高シェアを獲得する製品を持つ、日本を代表するメーカーです。主力となっているカメラや複合機以外にも、半導体露光装置や医療機器などにも進出しており、総合電機メーカーとして認知されています。ただ昨今話題となっている半導体分野におけるキヤノンの露光装置のシェアは5%程度と高くありません。日本ではトップですが、オランダASML社のシェアが90%オーバーと独走状態です。


配当は安定している…とまでは言い切れないのが正直なところです。というのも、2020年12月期にそれまで安定して続けていた配当金が半額にまで減り、2023年12月期までそれ以前の配当金額まで戻していないからです。2020年度以前から配当に対して十分な利益が出ていない…というより配当性向が高すぎる傾向がありましたが、にもかかわらず減配をしてこなかったのは、安定配当を続けようとする意向が会社側にあったからだと伺えます。

ただ配当方針が利益の50%を目途としている中で、2023年12月期の配当は既に利益の50%を超えています。2024年度は150円の配当を見込んでいますが、爆発的に利益が上がっている訳ではないので今後も減配の可能性や、良くても配当維持になる可能性があるかと思います。2020年度以前のように会社方針で増配を続ける可能性もありますが、その場合はどこかで減配する可能性が高いと思われますので、保有するなら覚悟しておいた方が良いでしょう。

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