三菱ケミカルは関係無、読み方は「ガス」 三菱瓦斯化学の安定高配当株診断

・独創的な製品の多い三菱系化学メーカー

・累進配当企業で安定配当が期待できる

・利回りは不満。増配回数もあまり期待できず

目次

〇会社概要と配当基準日


三菱瓦斯化学は三菱系の化学メーカーです。三菱系の化学メーカーでは三菱ケミカルホールディングスが存在しますが、その傘下には入っていない、資本的には独立した企業になります。天然ガスや芳香族などの化学品を扱うメーカーです。

元となった企業は2つあり、片方は三菱製紙の出資により1918年に設立されたバリウムやエタノールを扱った三菱江戸川化学、もう片方は1951年創業の日本瓦斯化学で、両社は1972年に合併して三菱瓦斯化学となります。

海外売上比率は約60%、半導体素材のBT積層板やMXナイロン、食品・医療用の脱酸素材など、世界シェア1位の製品を多く持っています。また独創的な製品を作り続けており、当時日本初の製品だったホルマリンやエタノール、また世界初だったBT積層板など、他社に先駆けて製品化したものが多く存在します。



配当は2009年以降減配をしていません。途中、赤字の年もありましたが、減配せずに配当を出しております。また2023年度までは「安定的な配当を目指す」としていましたが、2024年からは累進配当制の採用を中期計画にて示しました。但し配当性向は示しておらず、総還元性向を50%としており、自社株買いにて株主還元を行うような印象を受けます。利回りは3%程度であり決して高くないのが難点です。

配当基準日:3月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:2,870円

 配当額:80円

 利回り:2.78%

配当利回りはおおよそ3%程度、現在ではそれを割るほどです。現状では高配当株とは言えないですね。


〇配当方針


2024年度からの中期計画にて累進配当制の導入を採用しました。配当性向やDOEなど、配当金額の目安は示しておりません。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)


配当は安定しています。赤字の時も配当をしており、かつ累進配当制を導入したため減配の可能性は低いです。ただ増配の頻度も多くはありません。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:6,067億円

 自己資本比率:59.0%

自己資本比率は60%近くと高く、時価総額も大手クラスです。

 

〇過去10年間のチャート


SBI証券より引用


株価は現在上昇中です。2022年からしばらくは2,000円辺りを小刻みに上下していました。ただこのタイミングで買えたとしても、現在の配当で利回りは4%程度でした。

〇総括

三菱瓦斯化学は三菱系の化学メーカーで、世界シェアトップの製品や国内初・世界初の製品を多く擁する企業です。直近では不採算事業の見直しなどを行っておりましたが、2024年からの中期計画ではICT事業や電子材料、メタノールなどを「Uniqueness&Presence事業」と改称し、差異化や成長が図れる事業に力を入れる方針を打ち出しています。


配当に関しては2009年から減配をしておらず、さらに新中期計画で累進配当制を導入したこともあって非常に安定していると言ってよいかと思います。赤字の年もありましたが、基本的には毎年十分に利益を出しています。

ただ利回りが低く、配当金の指標となる配当方針を定めるのではなく、自社株買いを含めた総還元方針を定めていることから、配当金の上昇には疑問符が付きます。加えて株価もコロナ禍クラスの株安でもない限り十分な利回りを得られるほどには低下しないので、高配当株とはなりにくいです。今後大きく配当金が上昇することが無い限り、高配当株として長期保有するにはあまり適さないと判断します。

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