稲盛和夫の考え方、アメーバ経営が有名 京セラの安定高配当株診断

目次

〇会社概要と配当基準日

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京セラはファインセラミックを中心に多角化経営を行っている、電子部品の大手メーカーです。平成時代の経営の神様とも言える創業者の稲盛和夫氏や、そこから生まれたアメーバ経営が有名ではないでしょうか。同社は半導体用セラミックパッケージで世界首位を誇っており、半導体製造装置用セラミック部品やタンタルコンデンサーなどの部品、太陽電池モジュールなどにも強みを持っています。他にも通信機や複合機など、様々な分野に進出しています。海外売上比率は約7割です。



配当はこの12年は割と安定しており、12年間で一度の減配しか行っておりません。利益面でも赤字や極端な利益減を出した年もありません。自己資本比率も毎年70%台と高めです。ただ直近ではEPS(一株当たり純利益)に対して配当性向が50%を上回っていることや、過去に自己資本比率や利益の数字が大幅に減少していないのに減配をしたことから、今後も安定した配当を出し続けてくれるかは疑問符が付きます。また毎年利回りはあまり良くないので、配当狙いで保有するにはあまり適していない銘柄に思えます。


配当基準日:3月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:1,850円

 配当額:50円

 利回り:2.7%

現在の株価は決して高い水準ではないのですが、利回りは3%を切っている状態と低いです。


〇配当方針


配当性向50%程度の水準で維持するとしています。尚、同社は株主優待の他、隠れ優待としてミニ株(1株)でも優待を実施しています。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)


10年以上赤字がなく、EPS(一株当たり純利益)は概ね70円台で安定しています。ただ2021年3月期に、EPSが異常に低いわけでも自己資本比率が低いわけでもないのになぜか5円の減配を行っています。また直近2年は配当性向が50%を上回っています。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:2兆7,770億円

 自己資本比率:72.2%

時価総額は3兆円規模と日本を代表する大手企業と言って良いほどです。自己資本比率も非常に高いです。

 

〇過去10年間のチャート


SBI証券より引用


どうにも読みにくくギザギザしています。右肩上がりと言えなくもないような、無理があるような…。見たところ2,000円のところに天井があって、2024年にそれをブレイクアウトしたはいいけどまた2,000円以下まで戻ってきたといった感じです。次は2,200円が天井になるのか、それをブレイクアウトできるのかは業績よりも市況によるところが大きいように思えます。

〇総括

京セラはファインセラミック技術を中心にした電子部品メーカーです。半導体用セラミックパッケージでは世界首位を誇っており、その他半導体製造装置用部品や電子部品にも強いです。また多角化経営を掲げていることもあり、太陽電池や通信機器、医療分野等様々な分野に事業を展開しています。中期計画では半導体やDX分野に力を入れていく予定です。

尚、創業者の稲盛和夫氏や京セラの経営哲学については京セラのホームページや書籍が多く出ておりますので、そちらをご参照ください。


配当は方針上利益の50%程度としています。ただ直近2年は配当性向50%を上回っており、かつ一度減配をしている銘柄のため、今後も減配せずに配当するかは疑問です。

特に2021年3月期の減配時は、利益が前年より低かったとはいえ大きく下がっているとは言えず、また自己資本比率も70%以上存在していたことから、やろうと思えば減配せずに配当維持はできたように考えられます。それでも減配に踏み切ったのは、経営上配当に回すだけの現金の確保が難しかったなどの理由があるかと思いますが、いずれにせよ毎年減配せずに安定配当をするという意識には欠けていると判断せざるを得ません。

利回りも毎年低いため、安定高配当株という面では適していないと判断します。

但しこの銘柄はミニ株(1株)も含めて株主優待を行っているので、株主優待を楽しみにするために保有するのはありだと思います。

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