知名度不足で?セメントの宇部興産が社名変更 UBEの安定高配当株診断

目次

〇会社概要と配当基準日

株式投資体験セミナー

UBEは大手化学メーカーで、ナイロン原料の世界大手です。UBE自体は化学製品を扱うメーカーですが、連結会社に機械を扱うUBEマシナリーとセメント事業を行うUBE三菱セメントを擁しています。これらの事業は旧宇部興産が一手に担っていたもので、事業再編で他社に分割しました。UBEは化学事業会社であると同時に持ち株会社でもあるということです。

創業は1897年で、当時は宇部の炭田を開発する目的で設立された石炭の会社でした。その後1914年には石炭採掘のために機械事業に進出、1923年には宇部で豊富に取れた石灰を利用してセメント事業に進出しました。現在はファインケミカルや医薬にも力を入れております。



配当は10年以上減配なく続いております。配当方針は安定的な配当を基本方針としており、配当指標としてDOEも採用しています。毎年事業は安定していますが、2023年3月期は久しぶりに赤字に落ち込みました。その時にも配当は減配せずに行っているため、配当の安定性は十分に担保されていると思われます。利回りは現在高いとは言えませんが、過去の株価からは5%まで上がったことがありました。タイミングが重要です。


配当基準日:3月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:2,907円

 配当額:105円

 利回り:3.61%

利回りは大体3.5%と高くも低くもないというところです。昨今の株高の影響も受けているものと思われますので、株価が低いときに狙いたいです。


〇配当方針


安定的な配当を基本方針とし、株主総還元性向を30%以上(3カ年平均)、DOE(株主資本配当率)を2.5%以上としております。総還元性向は自社株買いも含めますし、DOE2.5%も少々物足りなく感じてしまいます。過去データではDOEは2.5%程度ですが、総還元性向に関しては30%以上を守ることよりも、安定的な配当を重視しているようなのでこちらはあまり当てになりません。尚、株主優待と言えるのかは分かりませんが株主は抽選で工場見学に参加することができます。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)


毎年安定した利益と配当を出し続けています。赤字の時も減配はありませんでした。配当性向も高くないため、安定配当の余力も十分に思えます。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:3,149億円

 自己資本比率:49.4%

自己資本比率は50%近くと十分な数値を保っています。

 

〇過去10年間のチャート


SBI証券より引用


10年単位で見ると割と上下が激しいチャートをしています。現在は上昇傾向で、昨今の市況を鑑みると3,500円まで行くかも分かりません。逆に安いときもあるのでタイミングを逃さないようにしたいです。

〇総括

UBEはナイロンの世界大手で、日本でも大手化学メーカーとされる企業です。旧社名の宇部興産の方が通じやすいかもしれません。主な事業は化学品の他、連結会社で機械事業とセメント事業を行っております。特にセメント事業は三菱マテリアルと合弁でUBE三菱セメントを設立して事業を行っていますが、同社の事業規模はセメント業界2位です。またファインケミカルや医薬品などの分野にも進出しています。


配当は過去10年以上減配なく安定して続けています。DOEという指標を定めてはいますが、事業自体も安定して利益を出し続けているので減配の心配はあまり必要ないでしょう。但しDOE2.5%が配当金上昇の縛りになっている側面もあるので、ドカンと配当金が上がることも期待しにくいです。

また現在は株高のため、利回りが4%をも下回っております。チャートは割と上下幅が大きく、安く買えるタイミングも期待できるため、5%程度で買える頃合いを見計らって保有したいです。利回りさえよければ安心して保有し続けることができる銘柄です。

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