郵便局で手続きできる日本郵政の生命保険会社 かんぽ生命保険の安定高配当株診断

・旧郵政省の簡易保険事業。簡単に言えば郵便局運営の生命保険

・配当金は安定で累進配当を導入

・利回りは3%台と低め。ただ生保株では保有候補としてよいかも

目次

〇会社概要と配当基準日

ツナグバ

かんぽ生命保険は東証一部上場の生命保険会社で、規模としては大手といって遜色ありません。ただ元々は旧郵政省が民営化した、旧官営の会社であることから「郵政民営化法」という法律によって、他の生命保険会社ではできる業務や取扱商品などが制限されています。 そんなかんぽ生命保険の強味は全国に2万以上存在する郵便局での販売ネットワークを活かせること、総資産の大きさ、旧国営組織である信用の高さでしょう。



配当は安定しており、累進配当を導入しています。利益も毎年安定しており、頻繁に増配も行っています。現状の利回りは4%を切っていて高いとは言いにくいですが、保険株ということで業績および配当の安定は今後も期待できる銘柄だと判断します。


配当基準日:3月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:2,912円

 配当額:94円

 利回り:3.22%

2024年度期初予算時点の予想配当金は104円と、2023年度の94円から10円の増配になっていますが、株価も順調に上がっているので利回りはそう高くはなりません。


〇配当方針


累進配当かつ原則として増配を目指すとしています。また総還元性向を40~50%とし、自己株式取得等を実施するものとしています。配当方針を素直に受け取るならば連続増配銘柄と言えるかもしれません。その実績は現状乏しいですが。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)


過去に減配をしたことはありますが、2014年3月期以降減配はありません。また2020年3月期と2021年3月期は増配をしていませんが、その他の年度では増配をしています。また利益も安定しており、無理な配当はしていないことが伺えます。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:1兆1,610億円

 自己資本比率:5.6%

自己資本比率だけ見ると真っ青な数値ですが、これは金融業である事情も含まれています。生命保険会社の場合は自己資本比率とは別に、「ソルベンシー・マージン比率」という安全性の指標があります。この比率は200%以上が求められるのですが、かんぽ生命保険では1,000%以上を維持しているため問題ないものと判断できます。

 

〇過去10年間のチャート


SBI証券より引用


コロナ禍で底をつけてからじわり上昇傾向です。ただ3,000円付近に壁がありそうですね。

〇総括

かんぽ生命保険は旧郵政省の保険事業が郵政民営化によって民間会社として設立された大手生命保険会社です。郵政民営化法により業務の制限がされていますが、最近では三井物産と業務提携を行ったり、米国保険大手のアフラックを持分法適用会社にするなど、他社との連携も強めております。


配当は中期計画の方針にて累進配当の導入と増配を謳っており、ここ数年はその通りの配当金を出しております。事業利益も安定していて、かつ利益に対して配当金を出しすぎているということもないので、今後も安定した配当が期待できそうです。

生命保険会社は大手の「日本生命」「住友生命」「明治安田」が上場しておらず、上場している大手生命保険会社はかんぽ生命保険と「第一生命HD」「T&DHD」くらいなので、生保株を保有するならば十分選択肢に入ってくる銘柄です。配当利回りは現在3%中盤程度ですが、今後増配が続くようならば長い目で見れば高い配当金を得られる可能性もあります。連続増配株予備軍と見てもいいかもしれません。

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