手軽に投資信託で不動産投資 REIT(リート)とは何か、そのメリットとデメリット

今回はREIT(リート)について紹介していきたいと思います。

結論を簡単に言ってしまうと、REITというのは不動産をみんなのお金で買って、その賃料収入をみんなで分け合おうという金融商品のことです。

では詳しく見ていきましょう。


目次

REITの前に…、不動産投資とは何か

株式投資体験セミナー

不動産投資とは文字通り、不動産に投資をしてその賃料や売却益で稼ごうとする投資行為です。よくあるのがマンションの一室を買って、それを他人に貸し出して賃料を貰おうというものですね。一昔前はアパートやマンションを一棟買って、その賃料収入で不労所得を得て生活していくというのがサラリーマンのゴールのような言われ方をしていました。

一般的に不動産投資は株式などよりも利回りが良いとされています。

ただ不動産投資をするには色々と難しい面があります。

  • 不動産を買うために多額の資金を用意しなければならない

 →生活保護者向けにオンボロアパートでも買わない限り、まともに買うと一千万単位から一億単位の準備資金が必要になります。個人でそれを用意するのは至難の業です。

  • 優良な不動産を選んで購入しなければならない

 →不動産投資は買って終わりではなく、入居してもらって初めて収入が発生します。そのため駅近や有名進学校の近くなど、入居者が入る物件を選ばなければ収入は発生しません。

また売却益を狙うにしても、安く買って高く売ることが必要になりますから地価が高騰しそうな場所の物件を購入する必要があります。その目利きは素人には難しく、また不動産屋も簡単に紹介してくれるものではありません。

  • 管理の手間や費用がかかる

 →不動産は現物なので、老朽化したらリフォームしなければなりませんし、家賃滞納などが発生すればそれにも対応する必要があります。不動産管理会社に依頼すればそれらの作業を代わりにやってくれますが、当然管理費用を持っていかれますので収入はその分低くなります。また不動産取得税や固定資産税などの税金もかかってきます。

  • 不動産に関する法令の知識が必要

 →業者として売買をするわけではないので深い知識は不要ですが、不動産登記等の知識は持っておく必要がありますし、それに関する手続きの方法も知らなくてはいけません。

  • 売却が容易ではない

 →不動産は株式等に比べて、売却に時間がかかる場合が多いです。不動産の査定をして、売却活動をして、買主を見つけて、引き渡してと一連の活動で数か月単位の時間を要する場合があります。


このように、不動産投資を行うには様々なハードルが存在します。



REITとは何か

REIT(Real Estate Investment Trust)とは不動産投資信託の略で、不動産投資を行う投資法人が多くの投資家からお金を集めて不動産を購入・運用し、それで得た賃料収入や売却益を投資家に分配するという仕組みになっています。投資する不動産は複数かつ種類も様々で、オフィスや商業施設、ホテルなど特定の施設に集中投資するREITもあれば、オフィスや商業施設、ホテル、住居等様々な不動産にバランスよく投資をするREITもあります。

不動産投信情報ポータルより引用


REITのメリットは何か

REITのメリットは主に3つあります。

  • 株式等に比べて利回りが高い場合が多い

 →不動産投資のメリットでもお話ししましたが、一般的に不動産投資は株式等と比較して利回りが良い場合が多いです。そしてREITを運営している投資法人は法人税の都合上、利益の90%以上を投資家に分配することがほとんどなので、投資家は高利回りで資金を運用することができます。

  • 分配金・値動きが安定している

 →REITで得られる収益は主に賃料収入となるため、企業の業績予測よりも確度が高く、概ね幾ら分配金(賃料収入)が得られるか予想しやすく安定しています。またそのため企業の決算のように、サプライズが起きて大きく価格が変動するようなことも少ないです。

  • 不動産投資のデメリットをほぼ全て解消できる

 →不動産投資には様々な知識や手間がかかるというデメリットがありましたが、REITではそれらを全て投資法人が投資家の代わりにやってくれるため、投資家は資金を捻出するだけでよいです。その資金の額も、1万円単位から多くても100万円単位の比較的少額で購入することが可能です。



REITはどこでどうやって買えるのか

REITは証券会社で買うことができます。購入方法は3つです。

  1. 個別銘柄を購入する

 →REITそのものを購入します。例えば「星野リゾート・リート投資法人」や「野村不動産マスターファンド投資法人」「東急リアル・エステート投資法人」など、株式として個別のREITに投資を行います。ただし投資金額は安いものでも5万円程度、ほとんどは10万単位での取引となります。

SBI証券より引用


2.REITのETFに投資する

※ETFについてはこちら

あわせて読みたい
ETFって何?初心者でもわかる投資信託とETFの違い 「投資するなら投資信託よりもETFの方がいいよ。」 たまに書籍で見る文言ですし、私も一時期運用を考えている友人にそのように話をしたことがあります。 ただ株や投資信...

 
 →REIT指数などに連動するETFに投資します。指数もいくつかありますので、自分の趣向に合ったものを選択してください。投資金額は個別投資よりも安めです。

3.REITの投資信託に投資する


※投資信託についてはこちら


あわせて読みたい
[初心者向け]NISAでは何に投資すればいいのか 投資信託編 今回は数ある金融商品の中から何を買えばよいのかを書いてみたいと思います。 今回はNISAを使うということで、基本的に中長期的に資産を増やしていくことを目的に考えた...


 →REIT指数などに連動する投資信託に投資します。国内の不動産だけでなく海外の不動産に連動したREITにも投資することができます。100円以上から1円単位で投資ができるので、一番敷居が低いです。

SBI証券より引用


尚、証券会社の選択には下記記事をご参考にされてください。取引手数料や使用できるポイントなどをまとめております。

あわせて読みたい
取引手数料やポイントなどに各社特徴!株初心者にもおすすめ大手ネット証券会社6社を徹底比較! 証券口座開設に悩んでいる人必見!「SBI証券」「楽天証券」「三菱UFJ eスマート証券」「マネックス証券」「松井証券」「GMOクリック証券」のネット証券大手6社を徹底比較!手数料が安い会社、外国株式が豊富な会社、初心者が使いやすい会社など、証券によってサービスに違いあり!これを読めば自分にぴったりの証券会社が見つかります!




REITのデメリットは何か

これまでREITの良い面ばかりを見てきましたが、物事には当然のように悪い面も存在します。REITの悪い面は以下の様なものです。

  • 配当控除が利用できない

 →株式などの配当金は確定申告で配当控除を利用することができますが、REITの分配金はその対象外です。


あわせて読みたい
確定申告で投資成果の節税をする方法3選 株にしろ投資信託にしろ、投資活動をしていればインカムゲイン(配当金・分配金)やキャピタルゲイン・ロス(売買損益)が発生するものです。 これらはNISA口座か特定口座(...


  • 金利が上昇すると収益が減る場合がある

 →REITは必ずしも投資家からの資金だけで不動産を購入し、運用しているわけではありません。銀行などからの借入金を使っている場合もありますし、中には借入金を多くすることで優良な物件を購入している、借入金比率の高いREITもあります。金利が上昇するということは、借入金の利息負担が増えるということなのでREITの収益が結果として減る場合があります。

  • 投資法人やスポンサー(投資法人の大株主)の倒産および上場廃止の可能性がある

 →REITも会社が運用しているものなので、株式投資をするのと同様に運用会社が倒産する可能性もあります(実際に過去倒産した例が存在します)。また東証などの上場基準を満たさなくなった場合は上場廃止となります。そういったリスクもあるため、REITは格付けの良いものや、大手不動産会社、大手商社など信頼のおける企業がスポンサーになっているものを選択した方が安全です。但し大体の場合、安全性が高いREITは他と比べて利回りが悪くなります。人気ありますからね。



総括

REITは手軽に不動産投資ができて、しかも利回りの高い商品です。私は不動産投資というものが胡散臭いというか高リスクで信用ならないものだと思っていたものですが、REITは投資信託の不動産バージョンのようなもので、1つのREITで複数の、場合によっては様々な不動産に投資をする金融商品のため、敷居が低く感じます。また投資信託でREITに投資する場合は100円から始められるので、その手軽さも魅力です。

投資で運用をする場合、株式や債券など様々な商品に投資することがリスク分散に繋がります。REITはその観点から言うと、不動産という商品に手軽に投資できるため、REITに投資をすることはリスク分散の面からも悪い選択肢ではありません。REITを購入する場合は利回りと信用力に注意をしつつ、まずは少額から物は試しと始めて見ることをおすすめします。


不動産投資 体験セミナー








  • URLをコピーしました!
目次