世界広告会社ランキング上位のガリバー 電通グループの安定高配当株診断 

目次

〇会社概要と配当基準日

ツナグバ

電通グループは日本最大の広告代理店で、「広告界のガリバー」とも呼ばれる日本の広告業界の草分け的存在です。売上高は世界6位規模で、海外M&Aを加速しており、海外比率は約6割です。

1901年に元新聞記者の光永星郎が日本広告株式会社と電報通信社を設立し、1907年にこの2社を合併して日本電報通信社としたのが始まりです。1955年に今の電通の社名になっています。1947年には「広告の鬼」と呼ばれた吉田秀雄が社長に就任し、戦後公職を追われた政財界人や軍人などを職員に採用、後に彼らが日本政財界の中心に復帰し、電通は広告業界で圧倒的な地位を築き上げました。吉田秀雄は電通の社訓「鬼十則」を掲げ、モーレツ商法で急成長を遂げますが、2015年に社員の過労自殺が発生し、現在は働き方改革に取り組んでいます。



配当は無配ということはないですが安定感もあるとは言いにくいです。配当方針にて配当性向35%を目指すとしていますが、赤字の場合でも減配するにとどめており、また黒字の際には配当性向に関係なく極力増配の方向で考えているように見えます。ただ利益自体も割と赤字が多いので、毎年一定額の配当を得るには計算がしにくい銘柄です。


配当基準日:12月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:4,225円

 配当額:139.5円

 利回り:3.3%


 配当利回りは3%台と、一応は高配当と言えるかなといったところです。ただ当ブログで求めている利回りからすると低いですね。



〇配当方針


2024年度までに配当性向を35%まで高めるとしています。ただ実際はそれ以上の配当性向で配当していたりします。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)


配当はここ10年以上出し続けていますが、赤字の時は減配しています。その赤字も2013年12月期から3回と、利益が安定しません。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:1兆1,276億円

 自己資本比率:23.2%

 時価総額は広告最大手にふさわしく1兆円越えですが、自己資本比率が低めです。今後の業績によっては更なる減配の可能性も否めません。

 

〇過去10年間のチャート


SBI証券より引用


コロナ禍の暴落からは回復しましたが、4,000円くらいを底に上がり切りません。

〇総括

電通グループは国内最大手、世界でもTop10に入る大手広告代理店です。海外M&Aも積極的に行っており、現在では145か国以上の国・地域に進出しています。社風は「鬼十則」と呼ばれる社訓がある体育会系で厳しいところがありますが、他方全員にクリエイティビティを求めており、若手でも意見発信をできる機会が多い、成長できる環境という見方もされています。

テレビメディア広告に強みを持っていますが、昨今成長しているインターネット広告の分野では競合他社の博報堂等に水をあけられており、コロナ禍の巣籠需要にも関わらず株価が低迷したのもそれが理由ではないかと個人的には考えています。


配当方針は配当性向35%程度としており、ここ10年近く無配や著しい減配はありません。しかし事業利益が安定しないこともあり、減配は何度か行っています。配当利回りも業界最大手だからか株式市場から一定の評価を受けており、そのせいか利回りは3%を超える程度とあまり高いとは言えません。

配当が安定しないこと、また株価が下がっても減配をしてしまいタイミングで高利回りを狙うということも難しいことから、安定高配当株としてはあまり適さない銘柄だと思われます。

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