当サイトでは10年以上連続増配を行っている銘柄を紹介していますが、その中で特におすすめできる銘柄を8つご紹介します。
尚、各銘柄の詳細はリンクを貼ってあります個別記事をご覧いただければ幸いです。
また当サイトでは20年の保有年数で、6%の高配当株と比較したときに当該銘柄の方が配当金の合計として儲かるかを判断しています。
三菱HCキャピタル
リース2位の三菱系企業で、連続増配年数は24年と日本株では3位の長さです。毎年十分な利益を出しているだけでなく、株主に三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱商事、日立製作所と大物が3社揃っていることもあって安定感抜群です。現在は株高で株価1,000円近くまで上がっていますが、それでも20年の単位で見れば6%安定配当株の累計配当金額を上回る可能性を秘めています。連続増配株として真っ先に狙いたい銘柄です。



ジーテクト
自動車メーカー「ホンダ」の関連会社で、車体骨格部品を取り扱っています。毎年安定した利益を上げており、また取引相手はホンダだけに限らず、トヨタ自動車やSUBARU等の会社とも取引を行っているためホンダに依存していないところも安心できます。連続増配年数は13年。現時点での利回りは低いですが、株価は割と上下が激しく、20年間の保有で6%安定配当株と同等の累計配当金が得られる株価が1,650円と十分に狙える水準なので選択しました。似たような社名でトヨタ自動車の関連会社に「ジェイテクト」という会社があるので間違えないようにしないといけません。



丸井グループ
ファッションビルの経営やエポスカードの金融事業を行っている会社です。現在の株高状況にも関わらず配当利回りが高く、4%を超えています。当サイトのシミュレーションでは20年で6%利回りの安定配当株以上の累計配当金を得るためには株価が2,350円以下であることが求められますが、タイミング次第で十分チャンスがあります。連続増配年数は11年。毎年安定した利益を上げている会社で、かつ小売業に留まらない時代に合わせたフレックスな経営方針を取っていることもあって、今後も利益を出し続けることができると考え選出しました。



エクシオグループ
通信回線等の工事を行うNTT系の電気通信会社です。連続増配年数は11年。事業は電気通信設備工事以外も行っており、バランスの良い事業ポートフォリオを構成しています。毎年の利益も安定しており、また20年長期保有の場合、株価が3,275円程度の水準でも十分な累計配当金額を得ることができ、過去のチャートからも十分狙える水準のため、長期保有に適した連続増配株と判断しました。



野村不動産ホールディングス
総合デベロッパー5位、野村證券系の不動産会社です。連続増配年数は11年。毎年安定した利益を出しており、過去10年の配当性向も30%と低めのため、業績の安定性と共に増配の余地を残していると考えることができます。特に配当性向については中期経営計画で40%まで引き上げることを目標に掲げているため、一層の増配を期待できます。現在は株価が上昇傾向にありますが、タイミング次第で安値も十分に狙えますので保有してみたい銘柄です。



MS&ADインシュアランスグループホールディングス
損害保険業界2位の三井住友系の会社で、傘下に大手損害保険会社の三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険、その他生命保険事業等にも進出している持ち株会社です。同社の連続増配年数は11年です。直近の日本の金利上昇等を要因とする株高はありますが、2025年3月期の配当予想を145円に大幅増額したため、株高にも関わらず利回りが改善しています。損害保険業界2位の事業基盤とバックに存在する大手企業グループ4社の存在から安心して保有できることや、配当方針に「収益力の向上を以て増配基調を目指す」と増配の言葉を入れていること、損害保険業界がメガ損保と呼ばれる持ち株会社3社(事業会社4社)の寡占業界で保険料の値上げが容易であることから、今後も増配が続いていくことが期待できます。また同社は2024年の株高で急激に株価を高くした銘柄で、2023年までは株価がそれほど高くなく、配当利回り5%近くを維持していました。大手企業の安定性と配当方針を買い、またタイミング次第で安定高配当銘柄にもなるため今回選出しました。



アステラス製薬
武田薬品工業に次いで売上規模で医薬品業界2位の製薬メーカーです。連続増配年数は11年で、減配も2006年以降ありません。製薬会社は研究開発のために事業投資を優先する配当方針を定める傾向にあるのですが、同社は同じ配当方針を謳いながらも連続増配を続けています。医薬品というディフェンシブ銘柄であることもありますが、アステラス製薬は現在株価が下がっていて、利回りが5%に近づいている高配当株の側面も持つようになっています。決して事業が危ないわけではなく、単に投資家の期待通りの業績を出せなかったことが理由かと思われます。20年の長期保有をする場合、株価1,700円で6%安定配当株と同水準の累計配当金額になりますが、現在は1,600円をも切っています。安定高配当株と連続増配株の2つの側面を持っている銘柄として紹介しました。



ライト工業
特殊土木技術に強みを持つ、中堅ゼネコン(建設会社)です。連続増配年数は10年ながら財務状況が安定しており、自己資本比率は70%以上にも上ります。また毎年しっかり利益を出し、配当性向も30%程度と無理のない配当を続けています。そのため今後も安定した増配が期待できる銘柄だと考えられます。増配ペースも遅くなく、20年長期保有の場合は株価2,050円で6%安定配当株と同水準の累計配当金額になります。株価はじわりじわりと上昇傾向ですが、増配が続くこともあって高値買いしなければ安定した配当金が期待できる銘柄だと思います。



[編集後記]
以上ここまで8銘柄を選出しました。最後の「ライト工業」は「フルキャストホールディングス」と悩んだのですが、安定性を重視しました。興味があれば下記リンクから個別記事をご覧ください。



私は米国株投資の本もそれなりに読んでいますが、米国株の長所の一つとして、連続増配年数が長い企業が多いことが上げられています。確かに60年以上の連続増配年数を誇る企業も存在するのですが、概して利回りが低いところが多いです。また日本株についても、連続増配年数を長くするために毎年1円ずつ増配を繰り返すといった企業も存在しています。正直ちょっとせこいなと思いました。そういう銘柄は長期保有しても儲からないことが多いです。



連続増配株は短期的な保有ではなく長期で保有してこそその真価を発揮します。ちょっと重たくはなりますが、保有したら何もせずにほっとくくらいのつもりで銘柄選択をしていただければと思います。決して短期の損益を見て、「評価損が出たから売ろう」と不安に駆られて行動するのではなく、長期的視野を持っていただきたいと思います。まあ倒産しそうとかなら話は別ですけどね。
どの証券会社を使うかは下記記事も参照にしてください。


