熊吉が作った自転車部品最大手 新家工業の安定高配当株診断

目次

〇会社概要と配当基準日

ツナグバ

新家工業は鋼管や自転車用車輪部品であるリムを製造している鉄鋼業に分類される会社です。あまり聞きなれない会社ですが、車輪を構成する部品であるリムの製造では国内最大手かつ、競輪用NJS認定リムを国内で唯一生産している隠れ優良企業です。従業員290名、資本金約40億円なので中堅企業と言えるでしょう。創業は1903年に石川県ですが現在の本社は大阪府、工場は国内に4か所あり、営業所も複数存在しています。1961年には東証一部に上場、1973年にはインドネシアに進出します。2022年の東証再編に伴い、東証スタンダード市場に上場しました。



企業規模は中堅ながら配当は非常に安定しており、2010年から減配はありません。2010年以降赤字の年もありましたが、減配することなく配当を続けております。また収益も安定しており、EPS(一株当たり純利益)を上回って配当を出した年度も少ないです。ただ中間配当を行わない年がたまにあります。あまり馴染みのない、決して規模も大きくない企業ですが、確かな技術力を持つ安定高配当銘柄です。中期計画で2024年度~2026年度は総還元性向を100%としており、2024年度の配当性向を100%としているため、一時的に利回りが高くなっています。


配当基準日:3月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:5,000円

 配当額:155円

 利回り:3.1%


 2024年3月期の配当額では利回りは大したことありませんが、2024年度の期初予算段階では配当金を300円としており、利回りが6%と跳ね上がっています。



〇配当方針


配当性向50%を目安とするとしていますが、それ以下の配当性向の年も多いです。また2024年度から2026年度まで総還元性向を100%としています。その中でも配当性向は50%以上としており、さらに下限配当100円の実施まで定めています。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)


2013年の赤字の年も、2016年の利益低迷の年も減配せずに配当を出しています。また2017年以降、利益水準も安定しています。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:228億円

 自己資本比率:61.2%



 時価総額は中堅規模相当ですが、自己資本比率が割と高めです。2026年度まで総還元性向100%の計画を立てられるのも、この自己資本があるからでしょう。

 

〇過去10年間のチャート


SBI証券より引用


チャートでは月足なので分かりませんが、総還元性向100%を発表し利回りが跳ね上がったことで数日前まで4,000円程度だった株価が5,000円まで跳ね上がりました。まだ上がるかもしれません。

〇総括

新家工業は自転車用リムの国内最大手メーカーで、競輪用のリム製造を国内で唯一行っている中堅企業です。今後は国内需要の減少や海外メーカーとの競争などの課題に対し、不動産賃貸事業を行ったり、事業所のあるインドネシアからASEAN諸国を開拓することで、需要が増加傾向にある新興国に打って出る方針を立てています。


配当は2010年から減配がありません。赤字の時も減配せずに配当を出しています。配当性向は50%以上を目標としており、この方針は中期計画の2033年度まで続ける見込みを現在のところ立てています。また直近2026年度までは総還元性向100%、下限配当100円、配当性向50%を掲げており、株主還元に力を入れる所存です。

自己資本比率は高く、毎年安定して利益を上げているため実現可能な政策です。2024年度においてはEPS約300円と見ており、配当金も300円としているため、株主還元は全て配当金で行うようです。ただ中期計画で総還元性向を100%とすることは、その政策が一旦切れる2026年度終了時点で減配になる可能性や、それに伴う株価下落の可能性があるのは頭に入れておくべきことでしょう。

今までは減配はありませんでしたが、直近の配当性向を100%にしたことで今後の利益次第で減配する可能性も否めないことを考えておいた方が良いかもしれません。

あわせて読みたい
取引手数料やポイントなどに各社特徴!株初心者にもおすすめ大手ネット証券会社6社を徹底比較! 証券口座開設に悩んでいる人必見!「SBI証券」「楽天証券」「三菱UFJ eスマート証券」「マネックス証券」「松井証券」「GMOクリック証券」のネット証券大手6社を徹底比較!手数料が安い会社、外国株式が豊富な会社、初心者が使いやすい会社など、証券によってサービスに違いあり!これを読めば自分にぴったりの証券会社が見つかります!
株式投資体験セミナー





  • URLをコピーしました!
目次