〇会社概要と配当基準日

明豊ファシリティワークスは建物の建設や移転の支援を行うCM(コンストラクション・マネジメント)業務を行う会社です。建物の建設プロジェクトの立ち上げから関わり、工期の短縮やコスト削減を提案します。建設プロジェクトの発注者をサポートするような業務を行う会社です。CM事業が売上の6割を占めていますが、他にも大企業等向けに保有資産の最適化支援やDX化提案を行っております。
明豊ファシリティワークスは1980年に明豊産業として設立されます。1990年には情報・通信をコアにしたオフィスづくりに進出、以降オフィスだけでなくビル改修などにも事業領域を広げます。2004年にはJASDAQに上場、2019年には東証一部上場を果たしますが、2022年の東証再編ではプライム市場ではなくスタンダード市場に移行しています。連続増配年数は10年です。
配当基準日:3月末
〇配当方針
配当性向55%程度を目途としております。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:118億円
自己資本比率:73.7%
時価総額は小さく、自己資本比率は高めです。それ以外は特にありません。
〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



増配平均額は2円前後、業績が悪いと0.5円の増配になります。とはいえ大幅増配をした年はないので、平均値は信用して良い数値になっているかと思われます。配当性向は2015年近辺では30%程度でしたが、年々増加して2021年以降は50%以上になっています。
〇比較込20年シミュレーション
投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。



20年間の配当金累計額は6%安定配当株を超えて7%安定配当株とほぼ同額の高さです。7%安定配当株は株価暴落時くらいにしか手にできませんので、20年かけてその金額まで配当金が得られるのは魅力的です。
〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション



株価が1,025円まで上がってようやく6%安定配当株と大体同じ累計配当金額になります。CM(コンストラクション・マネジメント)ってそんなに儲かるのでしょうか。
〇過去10年間のチャート



※SBI証券より引用
株価は上昇傾向にあります。2020年の上値と下値できれいに抵抗線と支持線が引けることから、このまま株価1,000円を超えてもおかしくないと思います。
〇総括
明豊ファシリティワークスは建物の建設や移転の支援を行うCM(コンストラクション・マネジメント)業務を行う会社です。自社での建築は行いません。建設発注者のサポートを行うことが業務の中心となっております。今後の方針としては人材がものを言う業務形態ということもあり、人材の育成や成長によりCM業務の価値を高めること、さらにはDX化にも力を入れていく予定です。
配当は10年連続増配中で、2024年3月期も増配予定なので11年連続増配予定です。配当性向は55%を目標としており、2023年の配当性向が56%だったので、増配が続くかは企業の成長と増配への意識にかかっています。ただもし増配が続く場合、現在の高めの株価でも20年累計配当金額が7%安定配当株と同水準と非常に高いため、保有の価値が十分にある銘柄と言えます。増配年数が10年と比較的浅いので、増配ではなく業績連動型の配当にする可能性も十分にありえます。ここがチャンスと手を伸ばすか、長期保有には様子を見るかは判断が分かれるところです。まあダメなら売ってしまえばいいんですけどね。


