〇会社概要と配当基準日

OCHIホールディングスは九州地盤の中堅住宅建材商社です。事業は5つに分かれ、建材・住宅設備機器の建材事業、家庭用品等の環境アメニティ事業、木造住宅用の木材プレカット等を行う加工事業、建設や工事を行うエンジニアリング事業、産業資材販売を行うその他事業を行っております。中でも主力は建材事業で、売上の6割を占めております。九州地盤の起業ではありますが、M&Aを行うことで全国展開もしています。
OCHIホールディングスの前身は1955年に個人商店として福岡に設立された越智商店です。以降40年近くをかけて成長を続け、1999年に他社と業務提携を行い住宅資材流通ネットワークのNESTグループを構築します。その後株式移転により2010年に現在のOCHIホールディングスを設立、2014年に東証一部上場を果たします。連続増配年数は12年です。
配当基準日:3月末
〇配当方針
安定的な配当の維持に努めることに加え、配当性向の下限を20%程度、目標を30%以上としています。配当性向の下限を定めている企業は珍しいです。また同社は株主優待も行っております。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:219億円
自己資本比率:34.4%
時価総額は小さく、自己資本比率は及第点程度です。
〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



今までは配当性向20%を切っていましたが、2019年辺りから20%を超える年が出てきました。2022年は利益が出たため大幅増配となっています。
〇比較込20年シミュレーション
投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。



このままでも6%安定配当株と同水準の累計配当金は得られる見込みです。
〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション



株価が1,725円まで上がっても6%安定配当株と大体同じ累計配当金額になります。
〇過去10年間のチャート



※SBI証券より引用
高値は2,000円。ここのところ1,200円~1,400円をうろうろしていましたが、徐々に上昇し、また2,000円の壁にチャレンジしようかという値動きです。
〇総括
OCHIホールディングスは中堅住宅建材商社です。5つの事業領域がありますが、主な収益源は建材事業になります。中期計画にある今後の方針としては、非住宅市場の開拓や土木関連商材の取扱、自動車のEV化を見据えた売上構成の変換、事業エリアの拡大、M&Aによる事業領域の拡大を企図しています。海外展開もありませんので、まだ成長の余地は残されていそうです。
配当は12年連続増配で、現時点の株価でも20年累計配当金額では6%安定配当株を上回る計算です。今までの配当性向が低く、今後は30%を目安に配当することを公言していることから配当金は上がっていくことが予想されます。現状でも十分購入に値する銘柄ですが、株価は現在上昇傾向にあります。ここ10年では2,000円の壁に弾かれているので、一旦上がりきった後にまた1,200円~1,400円まで下がってくるかもしれません。そこで狙えれば大きく配当金を得られます。但し、この値動きは直近で配当金が上がったことによる上昇とも、市場全体の株高に連れられたものとも捉えることができます。後者ならば待てば下がると思いますが、前者の場合は買い時に悩みます。個人的には上昇を始めた時期的に後者の可能性が高いと見ていますので、下がる可能性が高いと思います。まあ今買っても十分利益は出るので、上がったらキャピタルゲイン狙いで売ってしまうのも有ですけどね。


