おすすめできるモニターの老舗 EIZOの連続増配株シミュレーション 

目次

〇会社概要と配当基準日

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EIZOは石川県に本社を構えるディスプレイ装置専業メーカーです。1990年代のブラウン管の時代からディスプレイ機器の画質と信頼性に定評がある、100%自社開発・自社製造の高い技術力を持つ会社です。事業領域は液晶モニターを提供するB&P事業、医療現場向けに映像ソリューションを提供するヘルスケア事業、工場や交通機関向けに映像ソリューションを提供するV&S事業などがあります。現在の主力はヘルスケア事業で、売上の4割程度を占めており、次いでB&P事業が20%ほどを占めております。また海外比率は約6割です。


EIZOは1968年に創業し、当初はOEM生産を行っていました。1985年には初の自社ブランドモニターである「EIZO」を欧州で販売、次いで北米でも販売を開始しました。日本での販売を行わなかったのは、当時モニター単体での市場が未成熟であったことが理由です。以降もモニター・ディスプレイ部門で実績を積み上げ、2003年には東証一部上場を果たします。連続増配年数は10年です。

配当基準日:3月末

〇配当方針

株主への還元性向を70%としています。これは自社株買いも含めた数値です。ただ2024年3月の配当性向は80%に上る見通しです。また同社は株主優待を実施しております。

〇時価総額と自己資本比率

時価総額:1,121億円

自己資本比率:77.0%


自己資本比率は高めです。



〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



増配平均額は7.78円。毎年5円か10円の増配なので、間を取って7.5円程度なのは納得です。EIZOは明確な配当性向を示していませんが、毎年大体30~40%、多い時は50%近くの純利益を配当に回しています。


〇比較込20年シミュレーション

投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。





20年間の配当金累計額は5%安定配当株に届かない水準です。4%水準ですね。ただこの銘柄は2024年3月の配当金を200円に大幅増額しています。その場合の平均増配額は15円まで跳ね上がり、20年累計配当金額は現在の805,395円から1,418,112円と7%安定配当株をも凌ぐ金額になります。

〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション




株価3,450円で6%安定配当株と大体同じ累計配当金額になります。2024年3月の配当からの計算を見た後では意味があるのかと思われるシミュレーションですが、後ほど意味を解説します。

〇過去10年間のチャート


 ※SBI証券より引用



割と上下が激しいチャートをしています。現在は10年間での高値6,000円に挑戦…まではしないで失速しそうです。25日移動平均線は上向きですが、75日移動平均線はおじぎしていますので、決算次第ですが6,000円まで上がるかは疑問です。



〇総括

EIZOはディスプレイ・モニターを専業で取り扱う電子機器メーカーで、映像技術の総合企業を標榜しています。その名に恥じることなく、同社の映像モニターは医療現場をはじめ様々な分野で使用されており、品質にも定評があります。今後はヘルスケア事業とV&S事業を中心に投資を積極化する予定です。

配当は10年連続増配中で、2024年3月期も増配予定なので11年連続増配予定です。2024年3月期は200円の配当予定で、前年比75円増の大幅増配となります。但し2024年3月期のEPS自体は他の年度と比較して特別に大きい訳ではなく、配当性向を80%まで上げたことが配当金大幅増の要因となっています。配当性向80%の配当が続くかは疑問かつ、仮に続いても増配額は5円10円程度に収まることが予想されるため、2024年3月の配当は特別なものという認識が必要だと思います。株価に関しては上下幅が大きいものの、3,500円まで下がってくるかはタイミング次第という感じです。総還元性向70%は魅力なので、配当にこだわるのではなく将来のキャピタルゲインも見据えて保有するかを考えたい銘柄です。


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