〇会社概要と配当基準日
みずほフィナンシャルグループはみずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券を中心とする金融系企業の持ち株会社で、三菱UFJ、三井住友と並んで3メガバンクの一つに数えられている企業です。特徴としてはシステム障害が多い、「One MIZUHO戦略」と呼ばれる銀行・信託・証券のサービスをワンストップに提供できる点や、メガバンクで唯一全都道府県に店舗を有している点、一時的要因ですが2023の世界投資銀行手数料ランキングで日本勢唯一のTop10入りを果たした点、国内市場での債券の引受額が首位級であることが挙げられます。業務純益構成比で他のメガバンクよりも大手法人と海外法人の比率が高いこと、PayPay証券や楽天証券といったネット証券が関連会社にあることも特徴です。
みずほフィナンシャルグループは渋沢栄一が設立した第一銀行と政府系の日本勧業銀行が合併した第一勧業銀行と、安田財閥の中心であった富士銀行、明治時代に政府が設立した日本興業銀行の3行が2000年に経営統合・合併して設立されました。合併した3行はいずれも名門であったため行内の派閥争いも激しく、また各行で使用していたシステム会社が異なっていたためシステム統合も上手くいかずと、一体感の無い銀行でした。しかしその一方、融資戦略としてはお得意様との長いお付合いを重視する方針にあり、2023年に世界投資銀行手数料ランキングでランクインしたのもソフトバンクグループのメインバンクとして同社を支え続けたことが一因となっています。また3メガバンクの中では比較的行内の競争が激しくなく、どこかのんびりした雰囲気があって給与も一部役職を除けば30代までほぼ横並びとのことです。
配当基準日:3月末
〇直近株価と配当額と利回り
株価:3,099円
配当額:100円
利回り:3.23%
銀行株が高値の状況ですが、利回りは約3%と上場企業平均を上回っています。三井住友フィナンシャルグループといい勝負です。現状ではメガバンクで利回り1位です。
〇配当方針
配当性向40%を目途にした、累進配当性を掲げています。メガバンクは全て累進配当性を掲げていますね。
〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)



2019年にEPSが低くなっていますが配当金額は維持しています。2015年から暫くは配当金75円が続きましたが、以降は少しずつ増加傾向にあります。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:6兆9,956億円
自己資本比率:3.6%
メガバンクの一角だけあって高い時価総額を誇っています。一方自己資本比率は他のメガバンクと比較してもやや低めですね。
〇過去10年間のチャート



※SBI証券より引用
日銀のゼロ金利政策終了を受けて株価はうなぎ上り。2022年末から2倍以上に上昇しました。
〇総括
みずほフィナンシャルグループは3メガバンクの一つに数えられる巨大かつ名門銀行グループです。メガバンクの中では3番手ですが、国債の引き受け高や大企業との取引に特徴を持っています。ただシステム障害や行内融和といった点では合併から20年経った今でも不安が残るのが玉に瑕です。
配当に関しては安定しています。配当性向40%かつ他のメガバンクと同様に累進配当性を導入しているため、配当が下がることはまず気にしなくて良いでしょう。預金金利もそうですが、大体3メガバンクはどこかが行動を起こすとそれに追随するパターンが多いため、配当方針についてもどこかが累進配当性を止めない限りはみずほも止めないものと思われます。「Too Big To Fail」と言われるように、みずほをはじめとしたメガバンクはもし潰れたら経済への影響が大きすぎるため、潰れそうになったら何かしらの救済策が採られるものと思われます。そういう意味でも持っていて安心の銘柄です。


