〇会社概要と配当基準日

オープンハウスグループは分譲住宅を主体とする住宅メーカーです。「東京に、家を持とう。」のCMでおなじみの通り、都内23区など都心部の木造狭小3階建て戸建て住宅に強みを持っています。売上は戸建て関連が半分を占めており、残りはマンションや収益不動産、21年に子会社化した投資用ワンルームが主力のプレサンスコーポレーションの収益で稼いでいます。オープンハウスグループは創業者荒井正昭氏のオーナー企業で、筆頭株主も同氏です。
オープンハウスグループの傘下で起源でもあるオープンハウスは割と新しい会社で、1997年に現社長の荒井正昭氏が不動産仲介事業会社として創業しました。2001年に自社新築戸建て住宅の販売を開始、2007年に不動産金融事業、2008年にマンション販売事業に進出します。2010年には米国と中国に子会社を設立し、海外進出を果たし、2013年に東証一部に上場します。同社の連続増配年数は12年で、上場以来増配を続けております。
配当基準日:9月末
〇配当方針
配当性向20%以上を目安に安定した配当を継続実施していく方針です。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:5,727億円
自己資本比率:33.3%
会社四季報における不動産(住宅)部門の時価総額順位では、101社中1位となっています。
〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



増配平均額は17円と高めです。最近は特に増配額が大きいです。ただ配当性向は毎年20%かそれ以下なので、配当額の伸びは業績が好調であるが故のものだと分かります。
〇比較込20年シミュレーション
投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。



現時点で7%安定配当株をも超える予想累計配当金額となっております。平均増配額が大きいことと、利回りが3.5%近くで割と高めなことが要因でしょう。
〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション



株価が5,700円まで上がってようやく6%安定配当株の水準に達します。すさまじい増配力です。
〇過去10年間のチャート



※SBI証券より引用
2019年から2021年末まで右肩上がりで株価が3.5倍にまで上がりました。今はやや下げ気味です。
〇総括
オープンハウスグループは都心部の木造狭小3階建て戸建て住宅に強みを持つ住宅メーカーで、21年には近畿圏地盤で投資用ワンルームのプレサンスコーポレーションを子会社化しました。まだ創業してから若い会社ということもあり、今までは勢いがあったため株価も大きく上昇しました。今後も成長速度はともかくとして、事業領域の拡大等で大きくなっていくものと思います。
配当は上場以来の12年連続増配中です。配当性向は20%と低く、まだまだ増配余地がありそうですが、先にも書いた様に若い会社であるため、配当性向を低く抑えて内部留保を厚くし、資金を事業拡大に向けるといった方針を採っていることが伺えます。現在まで続く増配は企業の成長が続いたからこそ成しえたものと思われ、今後も業績予測上は成長が続くものとされているため、増配にもキャピタルゲインにも期待が持てそうです。一方、もし業績が悪化した場合にどのような配当政策を採るかが見えないため、ここは注意が必要です。個人的には若い企業であるが故に企業の成長を重視するだろうと予測しており、配当性向の低さにもそれが表れていることから、減配する可能性が高いように思います。連続増配株として長期保有が魅力的な銘柄ですが、業績動向には目を光らせておく必要がある銘柄です。


