住友化学との関係は継続 稲畑産業の安定高配当株診断

目次

〇会社概要と配当基準日

株式投資体験セミナー

稲畑産業は化学系専門商社で、長瀬産業に次いで2位の地位に存在する、稲畑家のオーナー企業です。元々は住友化学の関連会社で、同社と製品を供給する取引関係を構築していましたが、2024年に住友化学が業績不振に陥り、稲畑産業株を一定数売却したことから関連会社から外れました。とはいえ取引関係には影響はないとのことです。稲畑産業は専門商社ながら工場を保有しており、情報電子や化学品、合成樹脂などの取扱だけでなく、自ら樹脂製品を加工する能力を保有しております。事業は情報電子と合成樹脂が柱で売上の8割を占めております。海外比率は約60%ほどです。



稲畑産業の創業は1890年。染料店として創業しました。1897年には早くも工場を設立し、染色加工業も行うようになります。また創業者の稲畑勝太郎(現社長とは別人)は後の住友化学の一事業となる会社の社長にも就任し、辣腕をふるいました。


配当基準日:3月末

〇直近株価と配当額と利回り

 

 株価:3,115円

 配当額:120円

 利回り:3.85%


  配当利回りは4%近くと、株高の中であっても高めです。



〇配当方針


配当性向50%かつ累進配当性を掲げております。さらに特別利益が出た場合には配当性向に囚われずに株主還元を実施するという太っ腹ぶりです。ただ直近での配当性向は大体30%程度です。それくらいの方が安定配当の余地があって安心ですけどね。尚、同社はQUOカードの株主優待を行っております。

〇過去10年配当とEPS(一株当たり純利益)


表にある期間については赤字はなく、減配もありません。累進配当が10年以上続いていると見ることができます。

〇時価総額と自己資本比率

 

 時価総額:1,761億円

 自己資本比率:46.5%


 大手企業と比較すると時価総額が見劣りするのは仕方がありません。自己資本比率は十分な水準でしょう。

 



〇過去10年間のチャート


※SBI証券より引用


株価は2022年から右肩上がりで、2022年以前は1,500円程度だったものが最近では倍の株価になっています。株高に連れられたのか、安定配当で上がったのか…。

〇総括

稲畑産業は情報電子と合成樹脂を中心とする、製造能力も持つ化学系専門商社です。化学系専門商社という地味な業種ですが、その中では2位の実力を誇り、また取引先には住友化学が存在します。目立たない会社ですが実力を持つ会社でもあるわけです。


配当も安定していますし、会社も株主還元に積極的な姿勢を見せております。配当性向50%の確度はともかく、累進配当性を11年続けてきており、また利回りも現在で4%近くと安定して高配当をする会社です。さらにQUOカードの株主優待もあるので、実際の利回りはもう少し上がるものと考えられます。特に経営不安な要素も見当たりませんし、専門商社特有の情報量の強みだけでなく、製造能力も保有していることから、ある程度安定した会社と判断して良いかと思います。であれば配当も安定して支払われるので、安定高配当株として十分保有に値する会社と判断します。欲を言えば、利回りが4%をきちんと超えた辺りで買いたいところです。

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