ブリリアブランドの安田財閥企業 東京建物の連続増配株シミュレーション 

目次

〇会社概要と配当基準日


東京建物は旧安田財閥系・芙蓉グループの不動産会社で、オフィスビル賃貸と「ブリリア」ブランドのマンションを主力としています。東京の八重洲・日本橋・京橋エリアでの大規模開発による賃貸収益の拡大や、分譲マンションの建替えプロジェクト、投資家向け物件売却の拡大を通じて今後も収益を上げる計画を立てております。また他の不動産会社に漏れず、ESG経営を行うことを掲げております。


東京建物の創業は1896年で、金融業で発展した安田財閥の一企業として設立されます。住宅の建築や不動産売買における資金調達を法人として事業化した初の会社です。その後も新宿副都心開発として「新宿センタービル」を竣工したり、「大崎ニューシティ」「霞が関コモンゲート」「中野セントラルパーク」や、大手町タワーの敷地内に森を作るなど、様々な不動産プロジェクトに関わっています。連続増配年数は11年です。

配当基準日:12月末

〇配当方針

配当性向30%を基本とし、持続的な成長により継続的に株主還元の拡充を図るとしています。利益が出れば配当も増えるということですね。非常にシンプルです。

〇時価総額と自己資本比率

時価総額:4,342億円

自己資本比率:25.7%


時価総額は不動産会社57社中7位です。自己資本比率はやや低めな印象です。



〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



増配額は安定して高めです。配当性向も10年間約30%程度です。EPSはほぼ毎年拡大傾向にありますが、これがもし減少に転じた時に配当をどうするかはちょっと読めないです。


〇比較込20年シミュレーション

投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。





現状のペースで増配を続けていけば、7%安定配当株をも上回る累計配当金が20年で得られる計算です。

〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション




株価が2,440円まで上がっても、6%安定配当株と同じ程度の累計配当金が得られる計算となっております。

〇過去10年間のチャート


 ※SBI証券より引用



株価はジグザグしながら、最近では上昇傾向にあります。2016年、2020年、2023年のように、じわじわ上がってから急激にストンと落ちるというのを繰り返しています。4年周期なのはたまたまでしょうね。



〇総括

東京建物は1896年に安田財閥の企業として創業した歴史のある不動産会社で、設立早期に海外進出を行ったり、その長い歴史の中で多くの大規模プロジェクトに関わったりと、財閥系デベロッパーとして活躍してきました。

配当は11年連続増配中で、2024年3月期も6円の増配予定なので12年連続増配となりそうです。利回りも比較的高く、増配額も7円近くで高めに安定しています。そのため現在の株価と平均増配額の水準が続くと仮定すれば、7%安定配当株をも上回る配当金のパフォーマンスが期待できます。

ただ良くも悪くもこの企業は利益が安定していて、特に2014年度からはEPSも年々増加しています。もし利益が下がったり、赤字になった場合に配当をどうするのかは、過去の事例からは発見できなかったので読めないところが懸念点です。

とはいえ賃貸収入を主な収益源の一つとしている点からも、大きく減収するということは考えにくく、実際それが理由で利益が下がった例が見当たらなかったのだから、ある程度安定した配当が得られると思って良いでしょう。連続増配がシミュレーション通り続くかはともかく、長期保有では少なくとも5%安定高配当株程度には稼いでくれる銘柄だと思われます。

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