カーオークション最大手 ユー・エス・エスの連続増配株シミュレーション

目次

〇会社概要と配当基準日

ユー・エス・エスは中古車オークション会場運営会社で、その取扱いシェアは国内ダントツの4割を誇っています。主な収益源はカーオークションですが、中古車買い取り専門店「ラビット」の運営も行っています。


創業は1980年で、事業としてカーオークションを行う企業としては草分け的存在でした。創業時は愛知自動車総合サービスという社名でしたが、そこで用いていたブランドネームがUSSでした。その後1995年に現在の社名に変更しています。中長期戦略としては、カーオークション事業を安定収益源とし、リサイクル事業やカーオークション周辺事業への進出などで事業拡大を図る方針を掲げております。連続配当年数は23年と、日本企業の中では5位の長さです。

配当基準日:3月末

〇配当方針

配当性向55%としております。2021年はEPSが前年の配当金額を大きく下回りましたが、わずかな金額分だけ増配していますので、会社の増配への意識は高いものと思われます。尚、同社は株主優待を設定しております。

〇時価総額と自己資本比率

時価総額:7,478億円

自己資本比率:74.8%


筆者は自動車には詳しくないのでユー・エス・エスを知りませんでした。ですので時価総額の高さに驚いています。自己資本比率も高めです。



〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



増配額は平均で3.64円です。配当性向は50%前後と比較的高めになっています。利回りは3%を切っていて少々不満です。


〇比較込20年シミュレーション

投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。





20年累計配当金の額は約81万円と、5%安定配当株に届きません。

〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション




株価が1,810円で6%安定配当株と同じ程度の累計配当金が得られる計算となっております。現在の2,600円の株価を考えるときついように思えます。

〇過去10年間のチャート


 ※SBI証券より引用



コロナショック時に1,500円以下まで株価を下げていますが、その他は下がっても2,000円前後で、2023年からは上昇傾向にあります。



〇総括

ユー・エス・エスはカーオークションの運営会社で、国内シェア4割でトップを走る企業です。中長期ではカーオークション事業を安定収益の事業と考えており、周辺事業への展開やリサイクル事業などで成長する計画を立てております。

配当は23年連続増配中で、2024年3月期も増配予定なので24年連続増配となりそうです。これは日本の企業で5位の長期増配年数となります。しかし同社は株価が高いせいか、20年の長期保有ではあまり多くの配当金を期待できそうにありません。企業自体は連続増配に力を入れている姿勢を見せておりますが、現状では5%安定配当株の方が長期保有では多くの配当金を得られるシミュレーション結果となります。株価もチャートを見る限り簡単には下がってきそうにないので、配当金狙いの長期保有には他社株の方が向いていると思われます。

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