〇会社概要と配当基準日
プラネットは1985年にライオンや資生堂等日用雑貨品業界8社と、通信会社のインテックを中心に設立された、電子データ通信・交換を行うプラットフォームの構築・提供・運用会社です。簡単に言うとシステム会社です。商品や取引先のデータをメーカー等に提供しています。
株主にはライオンやエステー、ユニ・チャーム等大手メーカーが多く、また顧客基盤も強みとなっていることやデータインフラを扱っているという事業内容から、知名度は低いながらそれなりに安定した事業を行える企業と思われます。2004年の上場以来、現在19年連続増配中です。
配当基準日:7月末
〇配当方針
安定的な配当の継続と、配当性向50%以上の維持を掲げています。過去10年の配当性向も50%以上となっております。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:81.5億円
自己資本比率:84.9%
従業員数46名、時価総額2桁億円と小さな会社ですが、自己資本比率は高いです。
〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



増配額はほぼ0.5円きざみと言っていいでしょう。連続増配記録の維持に対する並々ならぬ熱意を感じます。しかし株価が低いため、利回りは約3.5%と連続増配株にしてはやや高め。時価総額や知名度の低さが関係しているのでしょうか。EPSは安定してますね。顧客基盤の厚さや事業内容が情報インフラなのが奏功しているのでしょう。
〇比較込20年シミュレーション
投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。



大体の場合は増配額よりも株価が高いことが原因で5%安定配当株に敵わないのですが、この会社は増配額が小さいから5%安定配当株に敵わないのでしょう。20年持っていた場合の累計配当金額予想は約85万円です。
〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション



株価875円で6%配当株に追いつきます。この会社は過去10年を見ている限りだと良くも悪くも安定していて、平均増配額を増やすことは期待できないので、買うなら株安の時を狙うしかないでしょう。
〇過去10年間のチャート



※SBI証券より引用
「株安の時を狙うしかないでしょう」と言った矢先に今がその株安だったというオチ。株価が下落しまくっても1,000円なので、それ以下の株安は難しいでしょう。
〇総括
プラネットはライオン等日用雑貨を扱う大手メーカー数社と通信会社インテックが設立した、日用品流通の電子データ交換システムを構築・運用している会社です。主要株主にも大手日用雑貨メーカーが名を連ねていることや、システムインフラを扱っていることから会社規模は小さいながらも業績は安定しています。
連続増配記録も2004年の上場から一度も止めたことはなく、19年連続増配中です。ただし増配額が0.5円単位と非常にしょっぱく、株価も現在の水準で割と安い方なので、連続増配株として保有していても旨みは薄いと思われます。同社の株を買って長期保有するよりは、5%以上の利回りを持つ安定配当株を長期保有した方が20年後で見ると良い結果が得られるでしょう。


