〇会社概要と配当基準日
豊田通商はトヨタ自動車系の総合商社で、その影響もあって鋼板や部品などの自動車関連事業を中心としております。またエリアとしてはアフリカ市場に大変な強みを持っており、アフリカ大陸全ての国に事業を展開しています。
元々は戦前に自動車の月賦販売を行うためのトヨタ金融として設立されました。その後1956年に豊田通商と改称、2006年に当時経営不振に陥っていた総合商社・トーメンを吸収合併し、総合商社の仲間入りを果たします。総合商社なだけあって自動車関連の取扱だけでなく、小売りや医薬品、資源開発、再生エネルギー等、非自動車部門も取り扱っております。今後の成長戦略として、再生エネルギー部門やリチウムイオン電池等バッテリーに関する事業を強化する予定です。
連続増配年数は13年で、2024年3月期も増配予定です。また現在の中期計画では2026年3月期まで16期連続増配を目指しております。
配当基準日:3月末
〇配当方針
累進配当性かつ配当性向30%以上を掲げております。
また上に記載の通り、2026年3月期まで連続増配予定です。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:2兆9,921億円
自己資本比率:32.1%
時価総額は総合商社の中で6位です。一時期5大総合商社の丸紅を抜いて時価総額5位に上がった時期もありました。まあ丸紅が勝手にコケたのですが。
〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



2016年は赤字でしたが増配を続けています。中期計画で16年連続増配を目指すと公言していることから、今後も増配にはこだわっていくものと考えられます。
ただバフェットの5大総合商社株購入の効果なのかは知りませんが、株価が上昇傾向にあり24年1月には上場来高値まで更新してしまったため、利回りは低くなっています。
〇比較込20年シミュレーション
投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。



株価が高く利回りが低いため、現状では4%安定株とどっこいの累計配当金額となっています。増配金額も割とブレがありますので、増配のモチベーションは高くても狙った通りの配当金を得られるかは微妙なところです。
〇6%配当と同額を達成する株価シミュレーション



株価6,300円で6%配当株に追いつきます。現在の株価から考えるとかなり厳しい水準です。2023年まではもっと安かったんですけどね。バフェットが商社株を売却したら株価が下がるかもしれません。
〇過去10年間のチャート



※SBI証券より引用
2023年中盤から現在まで急激なペースで上がっております。長期保有目的よりも短期トレードで利益を得る方が向いているのではないかと思うようなチャートです。
〇総括
豊田通商はトヨタ自動車系の総合商社で、自動車部門もさることながらアフリカ市場に絶大な強みを持っており、5大総合商社にも勝るほどです。今後は再生エネルギーやエネルギーマネジメント等部門の拡大およびアフリカ市場へのヘルスケアやインフラ等に一層の投資を行う計画です。
連続増配株としてのモチベーションは、中期計画で今後の連続増配を目指す旨を公言するほど高いのですが、現状では株価がもっと高いため、増配の旨みがあまりありません。現在は上場来高値を更新するほどに株価が絶好調なため、長期保有目的で購入するのはもっと株価が下がってからの方が良さそうです。


