〇会社概要と配当基準日
住友倉庫は国内3位の住友グループの倉庫会社です。物流部門の他に海運や不動産でも収益を得ています。倉庫業というのは銀行が物品を担保に融資を行う際、その物品を保管するために設立された場合が多く、金融部門が強い財閥系が倉庫業を持っているのはそのためです。住友倉庫も例にもれず、旧住友銀行の倉庫部門が起源で、1923年に株式会社住友倉庫として設立されました。同社は業界の中でいち早く国際化を実施した企業で、海上輸送のコンテナ化を同業他社に先駆けて導入しました。配当に関しては現在11年連続増配中です。
配当基準日:3月末
〇配当方針
直近の第五次中期計画では、1株当たり100円の配当を下限とし、DOE3.5~4.0%を目安として実施するとしています。前回の第四次中期計画では「増配の継続を目指す」とあったので、今後増配株ではなく減配をしない安定株に移行する可能性もあります。
〇時価総額と自己資本比率
時価総額:1,961億円
自己資本比率:57.9%
時価総額は倉庫業の市場規模を考えるとこんなもんですかね。自己資本比率は高めです。
〇過去10年間の配当とEPS(一株当たり純利益)含む平均等基本情報



2022年に従来の倍近くの増配を行っています。その影響で平均増配額が上がっていますが、毎年の増配額は2円程度が多そうです。利回りは昨今の株高を考慮すると4%近くと高めです。
〇比較込20年シミュレーション
投資額を1百万円として、平均増配額から予想した今後20年の配当金累計を、利回り6%と5%の場合と比較した結果が下の表となります。



平均通り8円近くの増配が続くと仮定すると、将来は7%株すらも超える配当額になりますね。
ちなみに平均増配額を2円にした場合、こうなりました。



20年で約90万円の配当金と一気に安くなりました。この会社は今後の動向次第です。
〇過去10年間のチャート



※SBI証券より引用
コロナにも負けず概ね順調に右肩上がりです。下がるのを待つとするなら2,000円くらいのラインでしょうかね。
〇総括
住友倉庫は11年連続で増配している株で、連続増配株として取り扱っています。2023年度の予想配当金額は101円と、前期対比で1円だけ増配となりました。2022年のように数年に一度でも大きな増配があり、10年平均で8円程度の増配額になれば長期保有でとても得をする株となります。
ただし最新の中期計画ではDOEを配当尺度に導入したとはいえ、「増配」という言葉が前回の中期計画の時から消えたのが気になります。株価が2,000円まで下がれば配当金の下限である100円で5%の安定高利回り株になりますので、すぐに買っても1円ぽっちの増配であることから考えるに、株価が下落してから購入する方が賢明かと思われます。


