株とはそもそも何のこと? 株と株式会社の仕組み

投資と言えば真っ先に株を思い浮かべる方が多いと思いますが、そもそも株って何のことでしょう。

ここでは言葉として普段使っている「株」というものがどのようなものかをざっくり解説したいと思います。




目次

Q1.株って何?

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株とは「株式」のことで、簡単に言うと会社の所有権を細切れに分割したものです。

そもそも株式会社って誰のものでしょう?


社長のもの?従業員のもの?国のもの?

いいえ、答えは株主のものです。

株式会社とは、会社を作るために何人かがお金を持ち寄って作ったものです。ここでお金を出した人は出資者であると同時に、お金を出した証である株式を保有します。

この株式は1人1株というものではなく、100円で1株というように金額によって定められます。ですのでこの場合、100円出資した人は1株を持ち、500円出資した人は5株を保有することになります。そして株式会社を作るために1,000円掛かったとしたら、1株保有している人はその会社の1/10、5株保有している人は会社の5/10の所有権を持っているということです。株式が会社の所有権を細切れに分割したものというのはこういうことです。株の保有者というのは会社のオーナーになるということです。




Q2.株の保有者が会社の経営をしていないのはなぜ?

正確に言うと、株の保有者=経営責任者である場合もあります。オーナー企業と呼ばれるのはそれですし、大手企業でもストックオプションと言って、経営に係る役員が自社の株を保有することで自社のオーナーになっている場合もあります。


さて、そうでない場合の話をしますと、基本的に株式会社を作るために出資した人は経営のプロではありません。そもそも会社経営がしたくて出資したとも限りません。そこで会社の経営をその道のプロに任せているのです。日本の場合は従業員から出世して経営責任者や役員になる場合が多いですが、米国などは専門の経営者を外部から招いて経営をしてもらっています。日本でもかつて経営破綻した日本航空(JAL)は外部から京セラ創業者の稲盛和夫氏を経営者として招きましたね。


ただ株主が会社の経営に全く関与していないというのは間違いです。株主は株式会社の最高機関として存在している株主総会で会社の経営に参加しています。


具体的には会社の経営に関する事項として、事業譲渡や会社の解散、経営に対する提言などを行ったり、配当金の額について意見を言ったり、会社役員の選任や解任を行うことができます。ただし、会社法という法律の範疇においてです。「会社が得た利益全額配当金として分配しろ」とかは、会社法に抵触する場合はできません。


株主は、日常の経営は会社の経営陣に任せていますが、会社の方向性についてはきちんと意見表明を行うことができるのです。ただし、保有株式の数に応じて意見を通す力は変わってきます。会社が発行している株式の半数超を保有すれば、その会社はその人の言いなりです。もちろん、法律が許す限りですが。




Q3.株の売買が成立するのはなぜ?

株を保有していると、会社のオーナーとして色々な権利を有することができます。先ほど述べた経営に参加する権利や配当金を受け取る権利、あるいは株主優待を受ける権利もあります。そのような権利を評価して、株の保有者から株を買うことがあるのです。


もう一つ、株を買う理由が、買った株をもっと高い値段で売るためです。いわゆる利鞘・キャピタルゲインを狙う場合ですね。トレードや投資信託はこちらが狙いです。


会社の価値を示すものとして時価総額というものがあります。これは株価×発行済み株式数で計算されるものです。例えばトヨタ自動車の場合、時価総額が約50兆円ですから、理論上は50兆円あればトヨタ自動車を丸ごと買うことができます。


キャピタルゲインを狙う人は、今の会社の価値(=時価総額)を本来の実力よりも安いと判断して、安い時点で株を買い、会社の価値が評価されたら(≒上がったら)売却してその差額を得ようとしているのです。




Q4.株はどこで買うことができるの?

株は証券会社で買うことができます。一般投資家が取引できる株は、東京証券取引所やニューヨーク証券取引所などに上場、つまり商品として取り扱われているものだけです。株は証券取引所で取引されています。一般投資家は証券会社に対して「この銘柄(株)をいくつ買いたいor売りたい」と注文を出します。証券会社はその注文を受けて、証券取引所で株の取引きを行うのです。つまり証券会社は仲介業者ということですね。


そのほか一般投資家が市場で取引されていない株を買う場合としてIPO(新規公開)株があります。これは既に上場した株ではなく、新しく上場して証券取引所の商品として売り出される株のことです。IPO株は会社が証券会社を指名していて、選ばれた証券会社しか取り扱うことができません。ですのでお目当ての会社がIPOをしたとしても、貴方が口座を開設している証券会社が取り扱っていなければ購入することはできないのです。


証券会社は野村證券や大和証券、SMBC日興証券などのメガバンク系などの店頭販売型証券会社と、SBI証券や楽天証券、松井証券などのネット証券会社があります。本ブログではネット証券を中心に各証券会社の特徴を紹介しているので、「証券会社」タブからご覧いただけますと幸いです。




〇まとめ

株とは会社を分割したもので、株主になるとは会社のオーナーになるということ、本来の意味はそういうことです。そこから派生して、株の売買で利益を得る仕組みが出来上がりました。


昔は株券として現物の紙が存在していましたが、今はデータ上の存在だけになってしまいました。個別株にしろ投資信託にしろ、投資運用する上で自分が関わっている株という得体の知れないものの正体が少しは理解いただけましたら幸いです。


ツナグバ






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