「投資するなら投資信託よりもETFの方がいいよ。」
たまに書籍で見る文言ですし、私も一時期運用を考えている友人にそのように話をしたことがあります。
ただ株や投資信託に比べて、ETFってちょっと聞きなれない言葉かもしれません。アルファベットが3文字並んでいるだけで、何か難しそうに感じるし…。
そこで今回は、ETFとは何かについて、投資信託と比較してお話したいと思います。
Q1.ETFって何さ?
→A1.上場投資信託の略さ!
…いやそんな自信満々に言われても訳わからん。それやると今度は「上場投資信託って何さ?」って訊かなきゃいかんやん。
簡単に言えば、株式市場で買うことができる投資信託のことで、投資信託と大した差はありません。
投資信託が銀行や証券会社の窓口で販売されているのに対して、ETFは直接株式市場で購入する投資信託となります(といっても株を買うときは証券会社を間に挟むので、証券会社経由で買うことに変わりはありません。)
Q2.ETFと投資信託って同じものなの?
→A2.基本は投資信託と同じですが、幾つか異なる点があります。
上で述べたように、販売場所が異なるほか、下記のような違いがあります。
<投資信託>
・1日1回算定される基準価格で投資信託の価格が決まる
・投資信託を売却するのに時間がかかる
・1日1回しか取引できない
・運用益を分配金として受け取る際、自動的に再投資するか、分配金として
受け取るかを選べる。(選べない商品もある)
・売買手数料0円のものがある
・少額(それこそ100円とか)から購入できる
・分配金は投資信託の中身の銘柄だけでなく運用益等からも拠出できる
<ETF>
・株式と同じでリアルタイムで価格が決まる
・取引時間内なら即時売却ができる
・1日に複数回取引可能
・運用益は分配金として個人の指定口座に入る(自動的に再投資しない)
・売買手数料は証券会社によって決まる
・株式市場での価格で購入する
・手数料が投資信託と比較して安い
・指値注文(予め個人が決めた金額で取引すること)ができる
・信用取引ができる
・分配金はETFの中身の銘柄からしか拠出できない
ざっとこんなところです。
Q3.結局ETFと投資信託だったらどっちがいいの?
→運用方針によりますが、NISAで長期運用するならば投資信託を勧めます。
運用手数料は安い、売買手数料はSBI証券や楽天証券なら0円、即時売買可能、フレキシブルな売買ができる。ETFの方がメリット多くない?
私も昔、そのように考えていて、ETFを保有していました。運用方針によっては、投資信託よりもETFで運用した方がメリットが多い場合も多々あります。
しかしNISAで運用する場合は、私の場合は長期運用を前提としています。
短期で運用する場合はETFにメリットがありますが、長期で運用する場合、売買に関するETFのメリットは全部消えます。だってほとんど売買しないもの。
売買手数料も、投資信託では0円のものもあるのでETFの長所とはなりません。
運用手数料に関してはETFに軍配が上がりますが、果たしてどれくらい違うのでしょうか。三菱UFJアセットマネジメントが投資信託とETFの両方で全世界株株式とS&P500の商品を出しているので、比較してみましょう。
<全世界株式 運用手数料>
投資信託「eMAXIS Slim」 :0.05775%/年
ETF「MAXIS」 :0.0858%/年
<米国株式S&P500 運用手数料>
投資信託「eMAXIS Slim」 :0.09372%/年
ETF「MAXIS」 :0.077%/年
あれ?
…新NISA導入に伴う昨今の投資信託手数料引き下げ競争で、全世界株式の方は投資信託の方がETFの手数料を下回ってしまいました。昔は投資信託の方が高かったんですよ!確か0.11%くらいだったはず!一般的にはETFの方が投資信託よりも手数料が安いんですってば~!
とはいえ投資信託とETF、両商品とも手数料の差は小数第二位で0.02%程度です。
NISAを使えば税金は掛かりません。そういう制度ですからね。但しNISAの場合、ETFは成長投資枠なので、生涯投資枠は1,200万円までとなります。投資信託の生涯投資枠1,800万円より600万円も少ない訳です。 長期投資をした際、最終的に投資信託とETFのどちらが結果として良いパフォーマンスを上げるかは分かりませんが、投資信託の方が600万円分ETFよりも多く投資できることから、投資信託に軍配が上がるのではと思っているため、個人的には長期投資をするならETFより投資信託をおすすめしています。
ETFを購入するための証券会社については[銀行・証券会社タブ]に代表的なネット証券を紹介しておりますので、気になる証券会社の記事を見てみてください。